粥状動脈硬化病巣における新規エンドセリン発現上昇のメカニズム
Project/Area Number |
16790239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
馬渡 一諭 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (40352372)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | Atherosclerosis / Endothelin-1 / ET-1(1-31) / Chymase / Inflammation / Hamster / Aorta / Nitric Oxide / Inflamation |
Research Abstract |
近年、肥満細胞で産生されるキマーゼが従来のエンドセリン(ET)とは異なる31アミノ酸の新規ET、ET(1-31)を産生することが報告された。従来のETは21個のアミノ酸からなり、これまでに強力な血管収縮作用をもつことや、動脈硬化に関与していることが既に明らかになっているが、ET(1-31)については不明である。今回、動脈硬化モデル動物を作成し、新規ET、ET(1-31)の動脈硬化の発症または進行における役割について検討した。動脈硬化モデル動物には、高脂肪食と一酸化窒素合成酵素阻害剤を長期投与したハムスターを用いた。このモデル動物は40週間処置を行うと、胸部大動脈に高度に進行した病変(強い炎症を伴う高度の内膜・中膜・外膜肥厚)がみとめられた。免疫組織染色でET1(1.31)の発現を検討した結果、動脈硬化病巣の内皮を中心に、中膜や外膜にも強く発現がみとめられた。動脈硬化の病変に伴う発現の上昇は、従来のET-1(1-21)と比し、ET-1(1-31)は顕著であった。さらに、動脈硬化病変部位でのET-1(1-31)の局在を詳しく検討した結果、血管壁全体へ浸潤した炎症系の血球細胞(組織球、単球、好中球など)で強い発現を認めた。今回は、最初にET(1-31)について報告されている肥満細胞やキマーゼの関与は認められなかったが、近年ではET(1-31)が炎症性の疾患に関与していることや、単球や好中球からも産生されることなどの報告がされている。本研究結果より、炎症性の病変である動脈硬化においても、ET-1(1-31)は病態や進行に関与することを証明された。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)