Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
S uperoxide dismutase 1(SOD1)の遺伝子変異が原因である家族性筋萎縮性側索硬化症は、運動ニューロン及びアストロサイトにおいて凝集体が観察されるなど、コンフォメーション病としての特徴を持つ。病態における凝集形成はコンフォメーション異常の変異SOD1がシャペロンやプロテアソームなどのタンパク質品質管理システムの処理能力を上回る結果であり、凝集体形成を促進する物質の関与が推測される。これらのことから、変異SOD1の凝集における不飽和脂肪酸の効果を試験管内で検討した。平成16年度から現在に至るまで、不飽和脂肪酸が変異SOD1の凝集を促進させる物質であることを見出した。細胞内遊離不飽和脂肪酸の増加原因とSOD1凝集の相関性を探るため、Neuro2、HeLa、HEK293細胞を用いモデル系を樹立した。Bovine serum aluminを用い、脂肪酸を細胞に取り入れた結果、試験管内のSOD1の凝集と同様、不飽和脂肪酸により変異SOD1の凝集が促進された。不飽和脂肪酸の増加はphospholipase A2によるものではないかと考え、RNAi法を用い、細胞レベルで検討した。その結果、カルシウム非依存性iPLA2のRNAiにより変異SOD1の凝集は減少した。これらの結果から、iPLA2が変異SOD1の凝集に関わる因子であり、家族性筋萎縮性側索硬化症の治療に向けた標的として考えられた。
All 2006 2005
All Journal Article (3 results)
Annals of the New York Academy of Sciences 1086
Pages: 11-20
The Journal of Biological Chemistry 280・22
Pages: 21515-21521
BIO Clinica 20・7
Pages: 80-84