広範囲熱傷により惹起される全身反応のメカニズム解析と治療への応用
Project/Area Number |
16790890
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岡山 容子 京都府立医大, 医学系研, 助手 (20363989)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | プロスタグランディンE2 / シクロオキシゲナーゼ2 / NSAID |
Research Abstract |
熱傷の受傷によって、末梢におけるその受傷部位以外に、高体温、痛覚過敏、食思低下、視床下部・脳下垂体・副腎機能亢進、などの中枢神経系を介した全身症状を引き起こすことがしばしばある。このような行き過ぎた全身反応は合併症や死亡率の増加の原因となり患者に不利益をもたらす。これらの全身反応の機構を明らかにし、制御することは臨床的に非常に重要である。我々は熱傷実験モデルにおいて、これまで感染症モデルで明らかになってきのと同様に、COX-2やmPGESが脳血管内皮細胞に誘導されることによりPGE2濃度が中枢神経系で上昇し、全身反応に関係するのではないかと仮定し、実験を開始した。これまでの実験では熱傷実験モデルを使って以下の実験結果を得た。(1)熱傷受傷後に脳脊髄液中のPGE2濃度が上昇すること(2)免疫組織学的手法を用いて、PGE2を生合成する酵素であるCOX-2やmPGESが脳血管内皮細胞に発現することをあきらかにした。これらの結果は熱傷を受傷するとCOX-2やmPGESといった酵素が脳血管内皮細胞に現れ、それがPGE2を生成し、脳脊髄液中のPGE2濃度を上昇させている、これが熱傷後の全身反応に関わるということを示唆している。今年度にはこの結果を更に発展させ、脳脊髄液中のPGE2濃度の上昇の時間経過をたどること、脳神経系におけるPGE2の上昇のみならず各器官におけるPGE2濃度の動き、更にはそのPGE2が実際どのような全身反応に関連しているのかを調査、研究したいと考えている。また、基礎的研究の一方で、臨床において熱傷患者にみられる中枢神経形を介した全身反応について、集中治療の現場での具体的症例を検討し、NSAID(PGE2のブロッカー)が臨床で果たす役割をこれまでと違う視点で見直したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)