Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
骨導超音波知覚を解明するために、同様に周波数の高い高周波気導可聴音の知覚と比較検討することが重要であると思われる。その理由として骨導超音波が知覚できるのは、骨伝導のため、内耳に達したときに生体の非線形性により可聴音が生じるため聞こえているのではないかという説があるからである。本年度の検討では骨導超音波の聴取閾値を気導音の聴取閾値との相関関係を聴力正常者及び難聴者で求めた。仮に特定の周波数の可聴音が生じているとすると、骨導超音波の聴取閾値はその可聴音の聴取閾値と強い相関を示すはずである。つまり非線形性により高周波可聴音が生じているとするとその聴取閾値と強い相関関係を認めると推測される。実際に測定を行うと、骨導超音波の聴取閾値は高周波可聴音の聴取閾値と強い相関関係を示さず、また相関係数は、ピッチが明らかに低い低周波数の可聴音との相関係数よりも低い値を示した。このことから骨導超音波の知覚はピッチが高周波可聴音と似ているにもかかわらず、その知覚メカニズムは異なることが示された。また補聴システムに関する検討では、言語音を変調する方式についてAMとFM変調の優位性について脳磁図を用いて検討した。その結果AM変調と比較してFM変調の方が周波数弁別能の点について劣ることがわかった。しかしある程度の弁別が可能であることからFM変調を補助的に使用していくことが可能であると思われた。なお骨導超音波の臨床応用に関しては難聴者においても一定の効果が認められたが、症例数の問題や骨導超音波補聴器そのものが試行錯誤の段階であることも有りその効果の定量は困難であった。
All 2007 2005 2004 Other
All Journal Article (9 results)
Audiology Japan 50
Pages: 52-60
10021299286
JONHS 21巻8号
Pages: 1081-1083
Audiology Japan 48
Pages: 65-71
Acta Otolaryngolgica Suppl 553
Pages: 33-35
耳鼻咽喉科頭頸部外科 掲載予定
JOHNS 掲載予定
Monthly Book ENTONI 掲載予定
Aging & Health 掲載予定