細胞膜リン脂質によって制御される物質輸送と情報伝達の関係の解析
Project/Area Number |
16791128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹内 弘 九州大学, 大学院歯学研究院, 助手 (70304813)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 細胞内情報伝達 / リン脂質 / メンブレントラフィック / PHドメイン / PXドメイン / イノシトールリン脂質 / 細胞内輸送 / 蛍光イメージング / 情報伝達 |
Research Abstract |
本研究では細胞内輸送経路が細胞内情報伝達の特異性発現に寄与する可能性をリン脂質代謝経路との関わりに的を絞って検証した。 昨年度より、種々の膜脂質の細胞内局在の解析に利用するため、PH、PXドメインを中心に様々な結合特異性を有する脂質結合性蛋白質モジュールの発現コンストラクトを作製、精製蛋白質を用いた結合特異性の確認を行った。その過程でPA(phosphatidic acid)/PI(3)P両者に特異性を持つPXドメインを新たに見出した。他のPXドメインの構造解析結果を参考にアミノ酸点突然変異を加えることでこのPXドメインのPI(3)P結合能が失われ、PAにのみ結合するプローブが得られた。これを蛍光蛋白質EGFPとの融合蛋白質としてCOS7細胞に発現させると、EGF、PMA刺激依存的なエンドソーム膜への移行が観察された。PA産生酵素であるPLDを共発現させるとこのプローブと外来PLDはエンドソーム膜上に共局在したことから、同プローブの細胞刺激依存的な局在変化はPAを認識したものと確認した。このPA特異的プローブは細胞に過剰発現させるとPAの下流シグナルに対してdominant negativeに作用した。すなわち褐色細胞腫細胞株PC12のEGF刺激や線維芽細胞Rat1のPDGF刺激によるErkのリン酸化がこのプローブの過剰発現により抑制された。これらの結果は受容体刺激に伴う情報伝達は形質膜直下のみを反応の場とするのではなく、細胞内の輸送小胞上で特定の下流分子群(この場合Raf-1などのPAの下流分子)と反応することで細胞形質膜直下とは異なる伝達反応を行っていることを示唆するものであり、冒頭の仮説を裏付ける証拠を提供するものである。これらの結果はThe 4^<th> Japan-Korea Conference on Cellular Signaling for Young Scientists(福岡・2005年7月)にて口演発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)