舌切除患者における咀嚼,嚥下障害の改善にに対する基礎的研究
Project/Area Number |
16791202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
補綴理工系歯学
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
小林 康二 奥羽大学, 歯学部, 講師 (20306088)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | 歯学 / 生理学 / 嚥下 / 舌切除 / 嚥下障害 / 口蓋床 / VF |
Research Abstract |
舌接触補助床(PAP)の口蓋後縁形態が,食物の嚥下運動に及ぼす影響を追究するため,嚥下の咽頭相において喉頭腔との遮断に関わり,甲状舌骨筋により舌骨と繋がっている甲状軟骨の挙動を捉えることのできる口腔外装置を試作した.試作した口腔外装置を用いて嚥下運動の円滑さを検査することを目的に,試験食品嚥下時における甲状軟骨の運動様相を検討した. 試作した口腔外装置は,空気圧力センサとデータ取込解析装置とから構成されている.空気圧力センサにはBIOPAC社製圧力センサを用い,空気圧力を高感度作動圧力トランスデューサで電位に変換し,AD変換後,パーソナルコンピュータに波形として表示した.なお計測時にセンサの位置を一定にするため,市販の頸椎固定用シーネに改良を加えたセンサ固定装置を製作した.本装置の妥当性を検討するため,嚥下機能に障害がなく実験に同意の得られた健常成人5名(平均年齢29.6歳)に対し,嚥下の困難さが異なると思われる杏仁豆腐とシフォンケーキを試験食品として,嚥下時の甲状軟骨の運動波形を観察し,運動時間を測定した.その結果,杏仁豆腐の嚥下時には単純な波形を示し,シフォンケーキでは数度のピークを持つ波形が示され,甲状軟骨の運動時間においても杏仁豆腐では2.04±0.26秒,シフォンケーキでは3.40±0.49秒であり,有意に甲状軟骨の運動時間が延長することが示された.以上のことから,試作口腔外装置は嚥下に伴う甲状軟骨の運動を捉え,嚥下運動の円滑さを検査・評価するための有効な手段となり得ることが示唆された. さらに,上顎骨欠損部の再建が施された症例に対し部分床義歯の口蓋形態を決定するため本装置を応用した.ペースト状食品を嚥下させ口蓋部への残留状況および試作口腔外装置による甲状骨の挙動を測定し,口蓋部に食品が残留せず単純な波形が得られる口蓋形態を付与した.嚥下に最適な口蓋形態の決定に対し,本装置の有用性が認められた.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)