ライデン大学教授J.ホフマンの日本語研究について―遺欧使節団・留学生との交流から―
Project/Area Number |
16H00015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
外国語・外国文学
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Research Institution | 九州産業大学 |
Principal Investigator |
青木 志穂子 九州産業大学, 大学の非常勤講師
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥380,000 (Direct Cost: ¥380,000)
Fiscal Year 2016: ¥380,000 (Direct Cost: ¥380,000)
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Keywords | J.ホフマン / ライデン大学 / 『日本語文典』 |
Outline of Annual Research Achievements |
■研究目的 : 国外の日本語非母語話者が日本語を研究することが困難であった幕末、明治初期に、一度も来日することなく体系的文法書『日本語文典』Japansche Spraakleer(ライデン、1867)を著したライデン大学教授ホフマン(Johann Joseph Hoffmann, 1805-1878)が、どのように日本語研究を進め、日本語観を形成したのか、また日本語研究史におけるホフマンの日本語研究はどのような位置を占めているのかを究明することを目的とする。 ■研究方法 : ライデン大学及びユトレヒト大学の各図書館に旧蔵のホフマンに関する文献、写真、各種手稿等を調査し、複写、撮影し、先行研究に用いられている資料と比較、考察する。 ■研究成果 : ライデン大学図書館ではホフマンの蔵書を全ページ精査した。多くの書き込みや付箋が貼られている『日本文典例証』(クルチウス、1857)はデジタル公開されている本の他に、ホフマンによって新しいページが糊付けされている同じ題名の本を発見し、クルチウス著とされる本が殆どホフマンによるものであることを再確認した。また幕末オランダ留学生、津田真一郎から贈呈された『古事記』に津田による詳細な書き込みを発見し、ホフマンが『日本語文典』に例文として採用した根拠を見出した。 ユトレヒト大学図書館では、未整理のまま放置されていたホフマンのメモ、筆談の跡が残る遣欧使節団団員の名刺、歓迎パーティーのメニュー表等、数多くの紙片を発見した。その中に、各々違う時に書かれた7枚の紙片を糊付けしたものがあり、これを分析したところ、ホフマンが日本語文法構築の際に、植物の側生器官は全て葉の変形であるというゲーテの「植物変容論」を当てはめていたこと、イエズス会宣教師ロドリゲス(Joao Rodriguez, 1561? -1633)やドミニコ会宣教師コリャード(Diego Collado, 1589? -1641)の研究は方言が中心になっているため高く評価していなかったこと等、これまで知られていなかった事実が明らかになった。 このような貴重な資料を発表することにより、日本語及び日本語教育の研究だけでなく、日蘭交流史など歴史研究にも資するものと考える。
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Report
(1 results)
Research Products
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