タブレットコンピューターによる汎用型教育GISの構築と教育実践に関する研究
Project/Area Number |
16H00032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
地理学・文化人類学・地域研究
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Research Institution | 静岡県立裾野高等学校 |
Principal Investigator |
伊藤 智章 静岡県立裾野高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2016: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | タブレットコンピューター / GIS / オフライン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、タブレットコンピューターを高等学校の地理学習の常用教材として利用し、基礎的な知識の定着や地理的思考力の涵養のための有効な活用法を検討し、普及・発展させていくための具体的な方策を確立することを目的とした。 既に導入している10台の端末に加えて、更に8台のタブレット端末を導入し、18台の端末を使って授業やフィールドワークを行い、教育効果について検証した。対象として、総合学科高校における普通教科(地理A、日本史A、世界史B)と、学校設定科目(「静岡県の歴史」)、修学旅行(沖縄)の事前学習と現地でのフィールドワークのためのアプリケーションを製作し、授業実践を行った。 高校3年生の「地理A」(講座生徒数7~10名 : 2単位)では、生徒が普段使用している紙の地図帳をデジタル化して位置情報を付与した上で写真やグラフを地図上に埋め込む形で簡易型の「デジタル地図帳」を作成して世界地誌の授業を行った。必要な部分を拡大して表示したり、生徒主導の授業が展開されることが期待されたが、集中力の持続やノートを書いたり、説明を聞きながら操作する上では適当でなく、紙の地図帳を使った方が教育効果が高いという結果を得た。一方、地形図を使った読図の方法の習得や、防災上リスクの高い場所の抽出を行う授業では、対象地域の地形図や空中写真等を自由自在に切り替えながら閲覧することができるため、紙の地形図を使った指導よりも格段に生徒の興味をひくことができた。 学校特設科目「静岡県の歴史」や総合学習、沖縄での修学旅行で行ったフィールドワーク用は、タブレットコンピュータを現地に持ち出して地図や写真を見ながら探求することにおいては高い効果を発揮することができた。特に無線LAN設備がないことなど、制約された条件の中で、オフラインを前提とした汎用性の高い教材を開発し、普及のための道筋を立てることができた。 研究の成果は、日本地理学会秋季学術大会(2016年9月30日東北大学)、立命館地理学会(2016年12月3日)で報告した。また、日本地理学会の電子ジャーナル「E-journal GEO」に査読付き論文として掲載され、刊行された単著にも事例を載せることができた。今後も継続して教材の改良と実践の蓄積に努めて行く予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)