Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, コンピテンシーを目標学力とする学習指導の有力かつ効果的な方途を提示するべく, その学習事例を開発し, 実践及び検証を通じて, 求められるコンピテンシーの育成方途を明らかにすることをその目的とした。そこで, 現実の社会的課題としての「地方創生」を取り上げた, 特別活動(生徒会活動)との連携実践を開発・実践し, 検証した。 実践後の検証から得られた本研究の意義は, ①コンピテンシー育成のための学習モデル提案②真正な学びによる主権者としてのリーダー育成の2点である。 より具体的には, 本実践は市内10校の生徒らが, 学校でのそれまでの学びの成果を生かして, リアルな社会としての地域をつくることへの参画を目指したものであった。これは中学生による社会参加そのものであり, 社会科「教科学習」で学ぶ概念, 生活の充実と向上を目指す「特別活動」とが横断的に関連しながら学習が展開されたものであった。コンピテンシーが求められるこれからの教育における, 教科横断的学習モデルとして本実践は意義をもつ。また個人として, 集団として, そして社会の一員, すなわち主権者として必要とされる資質の向上もみられた。そこでは, 対話し, わかり合う真正な学びの文脈を通して, 10校の学校を超えた連携が生み出され, また次なるステージでの社会参画への意欲につながっていることから, 主権者教育としての意義も主張できる。なお, これら成果は, 福岡社会科教育実践学会2016年度研究発表大会シンポジウムでの発表, 同学会紀要『社会科教育実践研究』第7号への掲載により公表した。
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