重度知的障がいを伴う全盲児が建物の各階の位置関係を学べるワンタップ教材の開発
Project/Area Number |
16H00217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育工学A
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Research Institution | 三重県立盲学校 |
Principal Investigator |
北村 京子 三重県立盲学校, 教員
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2016: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 全盲児 / ワンタップ教材 / 位置関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
建物の外観や各部屋の配置など、晴眼者は視覚情報を得て移動するが、全盲児の場合、触って頭の中でイメージすることが求められる。筆者は、知的障がいを伴う全盲児を対象に、階段の手すりの形状から、現在、何階にいるのかを把握させるための指導を行ってきた。しかしながら、建物ごとに階段の手すりの形状が異なっているため、対象児は、自分の位置を捉えることが難しかった。本研究では、知的障がいを伴う全盲児が建物の各階の位置関係を把握できる学習教材の開発とその有効性について検討した。具体的な手順は、以下のとおりである。①タブレットPCを3台準備し、凹凸のある6分割(縦2マス×横3マス)のマス目状の補助具を作成して、タブレットPCの画面上に設置した。②建物の各階をミニチュア化し、高さ20cmの台を2脚準備して、補助具付きタブレットPCを1階から3階に見立てて設置した。③教師が各階の場所を尋ね、対象児が画面をタッチすると音が鳴り、正解か否かを知ることができるようにした。この教材をワンタップ教材と命名し、子どもの実態に応じた教材のカスタマイズを行い、その有効性について検討した。 その結果、高度な課題にも取り組むことができるようになった。具体的には、うさぎとクッキーのおもちゃを準備し、補助具付きタブレットPCを補助具付きのボードに置き換えて、対象児がうさぎのためにクッキーを探し、その場所を言葉で答える課題を行った。位置関係がはっきり分かっていないと明確に答えることができないが、ワンタップ教材で位置関係を理解できるようになったため、この課題に対しても意欲的に取り組むことができた。最終的には、対象児は、校舎内で階段を使って移動できるようになった。以前は、登校時に下駄箱で教師が迎えに来るのを待っていたが、対象児は1階の下駄箱から2階の自分の教室まで独力で移動することができるようになり、実生活でも活かすことができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)