Project/Area Number |
16H00258
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
特別支援教育
|
Research Institution | さいたま市立仲本小学校 |
Principal Investigator |
石田 修 さいたま市立仲本小学校, 教員
|
Project Period (FY) |
2016
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
|
Budget Amount *help |
¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2016: ¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
|
Keywords | 重度・重複障害 / 心拍数変動 / 興味・関心の評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
肢体不自由特別支援学校では、近年、障害の重度・重複化や多様化が進んでいる。重度・重複障害児(者)は、重い知的障害に運動障害や感覚障害を併せ持ち、周囲の働きかけに対する応答が微弱である。発話による意思表示が非常に困難で、行動観察から働きかけに対する応答を確認することも難しい。教員は、残存すると思われる感覚機能を中心として重度・重複障害児への支援やコミュニケーションを行うが、その残存機能の実態把握が難しく、効果的な教育実践の模索や教育実践効果の評価が非常に困難であった。これらの問題を解決するため、申請者は重篤な運動障害と視覚障害を併存すると医師に診断されていた重度・重複障害のある肢体不自由特別支援学校中学部の生徒2名(A, B)を対象に、計測に負担が少ない軽量ワイヤレス心拍計を用いて感覚機能評価を行った。その結果、いずれの生徒も、色や光の視覚刺激呈示にともなって、心拍数が一過性に減少する定位反応が再現性高く認められ、視覚刺激を知覚していることが示唆された。また、生徒Aにおいては、見知らぬ他者が顔を見せたときにも定位反応と思われる一過性の心拍数減少が認められた。一方、前担任や父母が顔を見せたときには、心拍数が一過性に増加する期待反応がみられ、とりわけ前担任よりも父母の顔のときの方が心拍数増大は顕著であった。これらのことから、生徒Aの心拍数増加は顔の親和性と関連し、見知った顔に対して能動的に注意を向けていたものと考えられ、心拍で重度・重複障害児(者)の興味・関心をとらえられる可能性が示唆された。
|