「手動PCR」をもとにしたデザイン可能な学生実験プロトコールの開発
Project/Area Number |
16H00304
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阿部 邦美 京都大学, 理学部, 技術専門員
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2016: ¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
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Keywords | 学生実験 / PCR / 天然物 |
Outline of Annual Research Achievements |
理学部化学系の生物化学実験は分子生物学の操作が中心であり、実験を履修している学生の9割が高校で生物化学を勉強してこない。そのため生物化学の基本的な知識が備わっておらず、実験を理解せずに終了していた学生が多かった。これを解決するため、基本的な生物化学の知識や操作の習得のみならず、その実験原理を理解できる課題を提供する必要があった。しかしながら、生化学分野の学生実験では溶液などあらかじめキット化されている場合が多く、条件や操作の意味を理解できずに実験を終了してしまい、基礎理論や原理を実感できるように工夫された実験課題は無かった。 本研究で開発実験として選んだポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるDNAの増幅は、酵素によるDNAの重合反応が基礎となっている。これは化学系学生にとても親しみやすい内容である。また、さまざまな分野で応用されるため、その理解はたいへんに重要である。しかしながら、研究室レベルでは自動化された機器(サーマルサイクラー)を使用しておこなうことが日常的であり、学部学生向けの適当なプロトコールは存在しなかった。今回開発した実験は、同じ実験操作(PCR)を2度行うことになっており、2回目の実験は自らが考えた条件(繰り返し回数、金属イオンの追加、操作温度の変更等)で実験を実施し、操作や薬品の意味を実感できる課題とした。さらに当初の計画通り、実験の安全性の向上、実験開始時の初期コストを抑える、操作、準備の軽減なども図ることができた。この実験はテキスト化後、今年度の京都大学理学部の化学実験として提供することができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)