フッ酸を使わない安全なガラス系試料の前処理と定量測定プロセスの開発
Project/Area Number |
16H00314
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 紳兵 東京工業大学, 技術部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
Fiscal Year 2016: ¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
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Keywords | ICP分析 / アルカリ融解法 / 土壌分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
[研究の目的]環境測定を目的とした土壌試料の精密定性定量測定には溶液化前処理を行った試料のICP(誘導結合プラズマ)分析装置による測定が有効だが、試料前処理に劇物のフッ酸(HF)や高額なマイクロウェーブ(MW)前処理装置が必要となることが多く、作業環境と人体への安全面で問題がある。本研究ではフッ酸やMW装置を使わずにアルカリ融解法による溶液化前処理と測定を行い、フッ酸使用時の定量測定結果との比較による信頼性と作業効率を検討することでより安全な測定系を確立する事を目的とする。 [研究手法] 測定試料は不純物除去とふるい分けを行った乾燥土壌粉末と比較標準物質として炭化ケイ素とアルミナ微粉末を用いた。始めに蛍光X線分析装置による定性測定を行い各試料の全体組成を確認した。次に各固体粉末試料を精密電子天秤で秤量後、王水などの非HF系混酸溶媒調製試料とHF系混酸溶媒によるMW試料前処理試料と炭酸ナトリウムとホウ酸を融解剤としたアルカリ融解法調製試料の3種類の試料を作成した。試料採取量は各試料10mg、酸溶媒は全量10mLで処理を行った。アルカリ融解法は白金るつぼに試料10mgと融解剤100mgをよく混合し、電気炉で1100℃まで加熱して溶融処理を行った後に得られた残渣を塩酸10mLで溶解し超純水で50mLに希釈調製した。これら溶液試料をICP発光分析装置を用いて主要含有物であるSiとAl元素の定性定量測定を行い結果の比較検討を行った。 [研究成果] アルカリ融解法処理試料のICP装置による定性定量測定の結果土壌試料と比較標準試料ともにSiとAlの強度が検出された。測定濃度はHF溶媒MW処理液と比べると低濃度であったが、これは未溶解残渣が原因と考えられる。一連の作業の結果アルカリ融解法による試料調製でフッ酸やMW装置を用いること無く安全な作業環境での土壌試料の溶液調製とICP装置による定性定量測定が可能であったことが証明できた。
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Report
(1 results)
Research Products
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