携帯用超音波診断装置の高精度化のための音場シミュレーションと実験的検証
Project/Area Number |
16H00391
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅱ(情報系)B
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤田 博樹 富山大学, 工学部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
Fiscal Year 2016: ¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
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Keywords | 携帯型超音波診断装置 / グレーティングローブ抑制 / 符号化送信 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年, 災害時や僻地での医療等の多種多様な用途に対応するため低価格, 利便性, 携帯性の携帯型超音波診断装置の需要は高まりつつある. その一方で, 小型化に伴う超音波を送信する超音波プローブの素子数削減により開口幅が縮小することで方位分解能および受信感度の低下を招き, 画質の劣化が懸念される. 本研究では, 超音波画像の劣化を招くグレーティングローブの発生メカニズムの解明及びその抑制手法の提案を行った. また, 超音波受信感度の向上手法である符号化送信において従来検討が行われていない方位分解能について, 計算機シミュレーションを用いて検討を行った. グレーティングローブは, 従来のバースト正弦波(例えば3波)を用いた場合, 異なる超音波素子から送信された超音波が1波長の整数倍ずれて重なることにより強調され発生する. そこで, 提案手法ではバースト正弦波2波目の極性を反転させることで, 1波目と3波目を極性の異なる2波目で打ち消す手法を考案した. 従来法と提案法の送信音場を比較したところ, 提案法によりメインローブ指向性のわずかな劣化(0.44°)はあるものの, グレーティングローブは10dB程度と大幅に抑制されることが示された. さらに, 送信アポダイゼーションにテューキー窓を用いることでグレーティングローブ周辺の成分に関して, 抑制効果がさらに向上することが明らかとなった. また, 送信波の1部の極性を反転させるとメインローブの指向性が劣化することから, 反転波形を用いる符号化送信について検討したところ, 方位分解能は低下する傾向であった. このことから, 符号化送信を用いる場合は方位分解能を考慮する必要性が示されたが, 本研究グループで開発した受信超音波信号の位相分散を用いた画質向上手法を用いることで方位分解能を改善できることが示された.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)