木質バイオマスを利用した金属・炭素複合材料調製における金属粒子形成過程の解明
Project/Area Number |
16H00462
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学A
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大竹 哲也 山形大学, 工学部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥430,000 (Direct Cost: ¥430,000)
Fiscal Year 2016: ¥430,000 (Direct Cost: ¥430,000)
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Keywords | 炭素材料 / 木質バイオマス / 金属微粒子形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的 : 針葉樹に金属化合物を担持して炭化を行うことで, 粒子径および形状の揃った金属微粒子が仮道管内に生成する。ここでは木質バイオマスへの金属担持量をコントロールするため, 半炭化処理による影響を確認する。また担持金属として銅, 亜鉛を用い, それぞれの単一担持による生成金属粒子と, 銅と亜鉛の二成分混合担持ヒノキの炭化による生成粒子を比較することで, それぞれの成分がおよぼす影響の確認を併せて行う。 実験方法 : 木質バイオマスとしてヒノキを用いた。担持する金属化合物は銅と亜鉛の塩化物および硝酸塩を使用した。半炭化処理には管状電気炉を用いた。ヒノキチップを280~320℃で30min処理することで半炭化物を得た。ヒノキチップまたは半炭化物1gに対し0.05~1.5mol/Lに調製した金属塩水溶液を20mL添加した。含浸処理を行ったヒノキチップを60℃で乾燥し実験試料とした。試料の炭化処理は熱天秤を用い, 温度300~700℃, 昇温速度2~50℃/min, 高純度窒素を20mL/min通気して行った。炭化物中の金属粒子形態をSEMにより観察し, EDSを用いて粒子の組成分析を行った。また担持した金属量は, 試料を燃焼して得られる灰分の重量から評価した。 実験結果 : 木質バイオマスの半炭化処理を行うことで半炭化物中の酸性官能基が増加する。0.1mol/L塩化銅水溶液を用いて担持処理を行った場合, 280℃-30min処理では銅の担持量は無処理のヒノキと変わらなかったが, 300℃-30minでは約2倍, 320℃-30minでは約5倍の担持量増加が確認できた。酸性官能基量の増加に伴い銅イオン補足量が増加したためと考えられる。また銅および亜鉛の二成分担持ヒノキの炭化処理により生成した金属微粒子は, 単一成分担持により得られる粒子と比較して1)塩化物では不揃いな酸化亜鉛粒子, 銅粒子が独立して形成され, 2)硝酸塩では500℃において均一な大きさの銅・亜鉛が混合した球形微粒子が生成し, 炭化温度が高温になるに従いウイスカー状粒子へと変化していく様子が観察できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)