急性期病棟におけるシベレスタットナトリウムによる治療効果予測因子の解析
Project/Area Number |
16H00544
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅲ-B
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷田 理奈 東京大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2016: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | シベレスタットナトリウム / 治療効果 / ARDS |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】急性期病棟においては、全身性炎症反応症候群(SIRS)の期間を短縮し、またSIRSに合併する急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を予防する目的でシベレスタットナトリウムが頻用される。一方でシベレスタットナトリウムを投与しているにも関わらず、ARDSが発症・増悪し、再挿管と人工呼吸器管理が必要となる患者が認められるが、事前に予測することは困難であり、臨床上の課題となっている。そこで本研究ではシベレスタットナトリウムの治療効果を事前に予測する手法の構築を目指すことを目的とし、調査を行った。 【方法】2013年1月から2014年12月に、東京大学医学部附属病院の急性期病棟に入院していた患者を対象として、シベレスタットナトリウム使用患者に関して、基礎情報、疾患情報、臨検値などの情報をカルテより抽出し、シベレスタットナトリウムによる治療効果が認められた群と不十分となった群の比較を行った。 【結果および考察】ARDS発症のリスク因子として肺炎・敗血症・外傷・誤嚥の4種類が指摘されており、いずれか1つの要因を有していることでARDS発症のリスクが高まることが知られている。そこでこれらのリスク因子に関して調査した結果、シベレスタットナトリウムの有効性が不十分となった群においてリスク因子を有している傾向が認められ、そのオッズ比は4.57であった。一方で、ARDS発症のリスク因子のみでシベレスタットナトリウムの治療効果を説明することは不十分であることから、患者情報を包括的に調査した結果、臨検値に関しては、アルブミン(Alb)とC反応性蛋白(CRP)で治療効果の有無と相関性が認められた。そこでROC曲線を用いて解析を行った結果、CRPに関してAUC値が0.182となり、シベレスタットナトリウムの治療効果と最も強い負の相関性が認められた。今後は更に症例数を増やすとともに、治療効果と相関する新たなバイオマーカーの探索を視野に入れて研究を行っていく。
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Report
(1 results)
Research Products
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