感染性心内膜炎治療における抗MRSA薬テイコプラニンの適正な負荷投与方法の確立
Project/Area Number |
16H00580
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅳ-B
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
室 高広 長崎大学, 病院, 技術職員
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2016: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | 感染性心内膜炎 / テイコプラニン / レセプトデータベース |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】 テイコプラニン(以下、TEIC)は、有効血中濃度早期到達のため初期負荷投与が必要である。 2012年の日本化学療法学会/日本TDM学会の抗菌薬TDMガイドライン(以下、ガイドライン)で添付文書より高用量の400mg2回2日間負荷投与法(2012GL法)が推奨されて以降、さらに高用量負荷のレジメンも多く報告されている。一方、これらは目標血中濃度到達率で評価されており、投与方法別に入院期間に与える影響を調査した報告はない。そこで、処方実態と入院期間に対する調査を行った。 【方法】 全国13大学病院のレセプトと処方データによる医療情報データベースを用いた後方視的調査研究を実施した。過去10年間の感染性心内膜炎の成人患者を抽出し調査対象とし、対象患者をTEICの処方実績からガイドライン等で推奨されている代表的な負荷投与方法別の各群に分け、以下の項目を調査し比較した。抗MRSA薬併用状況、TEIC負荷投与方法、ガイドライン発行による投与方法の変化、年齢、性別、入院期間、入院総費用、TEIC処方量、TEIC処方期間、特定薬剤治療管理料算定(以下、TDM)の有無。 【結果と考察】 感染性心内膜炎治療におけるTEICの負荷投与量は2012年のガイドライン発出後はガイドラインが推奨するいわゆる2日間ローディングの処方割合が増えており、ガイドラインを参考とした治療が実施されていることが推察された。全体としては添付文書記載の1日間ローディングの割合が最も多かったが、調査対象期間で、2012年以前の割合が多いことによると考える。TEICのみで治療が完了している症例での解析では、負荷投与方法による入院期間やコストに有意差は認められなかった。初期投与後のTDMによる用量補正が影響していると考えられるが、今回め調査では不明である。 今後、前向き調査などでローディングドーズの有益性をさらに検討する必要があると考える。
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Report
(1 results)
Research Products
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