Project/Area Number |
16H00619
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学B
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
堀田 範子 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 技術職員
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2016: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | 脳波/筋電図 / 若年齢マウス / 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトにおいて、乳幼児期の睡眠は発達に影響を与えると言われているが、詳しいメカニズムはこれまでまったく解明されていない。マウスを対象とした脳波筋電図測定の手法は8週齢以上の成獣において確立されているが、技術的な困難さのために哺乳期および離乳後早期のマウスの脳波筋電図を継続的に記録し、睡眠覚醒を検討した研究はほとんど存在しなかった。そこで本研究ではマウスにおいて離乳前若年齢期から成獣期に至るまで継続的に脳波筋電図を測定することを目的としてシステムの確立を試みた。 C57BL/6マウスを用いて、離乳(4週齢)以前のいくつかの週齢で電極埋込み手術を行ったが、成獣用電極では物理的に頭部に収まらなかったため、より小さな電極を作成した。仔マウスへの電極埋め込み手術は11日齢から可能であったが、その後の管理・測定に耐えられるのは12日齢からであった。電極固定に使用した歯科用セメントの頭蓋骨への接着に2日間置いた後、14日齢よりテザー(測定のためのコード)に繋いだ。仔マウス用のテザーではよりしなやかな素材を用い、母マウスによる断線被害を防ぐため防鼠資材でコーティングするなどの加工を行った。また、母マウスがテザーを上って脱走することを防ぐためネズミ返しを取り付けた。14日齢より連続してテザーを装着行ったところ、母マウスの行動干渉を受け仔マウスが衰弱したため、テザー装着を毎週44時間程度に留めた。産まれた仔マウスを(1)10週齢に手術、(2)12日齢に手術、(3)12日齢に手術し、14日齢より毎週44時間程度テザーに装着した3つのグループに分けて体調の指標として毎週体重を測定した。グループ(1)と(2)には体重に差は見られなかったが、グループ(3)では4及び5週齢において体重増加の遅れが見られたが6週齢以降には差は見られなかった。次に手術自体の成長への影響を調べるために、脳及び頭蓋骨の3D-CTの撮影や、10週齢における脳波筋電図を測定したが、グループ(1)と(2)では差は見られなかった。 本研究で得られた結果から、離乳前の若年齢期である12日齢に脳波・筋電図電極埋め込み手術を施しても、その後の成長に影響を与えないことが分かった。また、テザー等を加工することで母マウスとの同居による問題が解決し、今まで行われなかった離乳前の脳波筋電図測定が可能となった。
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