Project/Area Number |
16H00643
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学B
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
丹野 大樹 福島県立医科大学, 検査部, 医療技師
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥560,000 (Direct Cost: ¥560,000)
Fiscal Year 2016: ¥560,000 (Direct Cost: ¥560,000)
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Keywords | クリプトコックス / 自然免疫機構 / C型レクチン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、世界エイズ死因第2位であるクリプトコックス感染症に着目し、近年注目を浴びているC型レクチン受容体との糖鎖認識機序を明らかにすることで自然免疫における真菌の感染認識機構を理解する目的で行われた。近年、東北大学医学系研究科の川上グループらは、クリプトコックス感染においてDectin-2がTh2サイトカインとムチンの産生に関わることを明らかにし(Nakamura et al. Infect. Immun. 2015)、クリプトコックスの認識にDectin-2が関与することが推測された。本研究では、Dectin-2のプラスミドを発現した2B4-NFAT-GFP reporter cellをクリプトコックス菌体あるいはマルチビーズショッカーで粉々に破砕した破砕成分(Lysates)で24時間刺激しGFPの発現をフローサイトメーターで解析することで(GFP reporter assay)、クリプトコックスによりDectin-2の刺激経路が直接的に活性化されうるのかを検討した。 GFP reporter assayにおいて、B3501(クリプトコックス莢膜株)、Cap67(莢膜欠損株)ともに菌体ではGFPの発現はみられなかったが、Lysatesでは両株とも強いGFP活性が確認された。糖の環状構造を分解する過ヨウ素酸でLysatesを処理後GFP reporter assayで解析すると、LysatesのGFP発現を阻害した。過剰量のMannoseの添加はLysatesのGFPの発現を阻害したが、Glucose、Galactoseではその影響はみられなかった。クリプトコックスの主要なタンパク抗原であるMannoprotein 98(MP98)は、reporter cellのGFP発現を若干ではあるが誘導した。 本研究により、クリプトコックス内にDectin-2刺激経路を活性化するリガンドの存在が明らかになった。それは、莢膜や菌体表層ではなく細胞壁内に存在することが示唆され、細胞内発現型のDectin-2の存在が考えられた。この知見は世界でもまだ言われておらず、真菌の感染認識機構を理解する上で重要な情報となりうると考えられる。クリプトコックス内のDectin-2リガンドは糖関連の物質、とりわけMannoseを持つ構造であることが示唆され、MP98のようなMannoproteinがその候補として考えられた。リガンドの正確な構造を解析するため、今後さらなる研究が必要と考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)