赤血球形態判定の標準化による疾患スクリーニング能の向上
Project/Area Number |
16H00657
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学C
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
足立 絵里加 島根大学, 医学部, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥360,000 (Direct Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2016: ¥360,000 (Direct Cost: ¥360,000)
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Keywords | CellaVision DM96 / 赤血球形態判定機能(Advanced RBC) / 標準化 |
Outline of Annual Research Achievements |
〔研究目的〕 本研究は検査者の主観的要素が大きい赤血球形態判別を自動顕微鏡装置CellaVision DM96(セラビジョン・ジャパン、以下DM96)の赤血球形態判定機能(Advanced RBC)を利用して行い、その標準化と疾患スクリーニングのためのカットオフ値を設定する。これにより赤血球形態異常に関する客観性の高い結果の提供が可能となり、疾患鑑別能の向上が期待できる。 〔研究方法〕 本学医学部平成28年度春季職員一般・特別・特殊定期健康診断および本院の人間ドック受診者30名と日常診療で赤血球形態異常が認められた患者11名を対象として、DM96の判定結果の感度と特異度を検討した。また、赤血球形態別に疾患スクリーニングのためのカットオフ値を求めた。 〔研究成果〕 判定結果の比較ではDM96は全体的に感度は良いが特異性が低く、偽陽性が多いという結果となった。しかし、診断価値の高い骨髄線維症でのTear drop cellsに対しては感度、特異度共に高かった。また、溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少性紫斑病で出現するSchistocytesはAcanthocytesに分類される傾向が見られた。疾患関連性が高いとされるTear drop cell、Elliptocyteについてはカットオフ値設定が可能であると考えられた。 〔考察〕 DM96は赤血球形態を画面上で確認でき、結果を定量的に求めることができる有効な測定手段だと考えられる。特に特徴的な赤血球形態を示す症例に対しては検出能が高いと考える。しかし、現状では偽陽性が多いため検査者による再分類が必要であり、その過程で検査者の主観が入る可能性が残っている。赤血球形態判定標準化と疾患スクリーニングのためのカットオフ値設定可能な形態異常の種類を増やすには人工知能等を駆使してDM96の赤血球形態異常判定能をさらに向上させる必要があると考える。
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Report
(1 results)
Research Products
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