顆粒膜細胞におけるmicroRNA発現量を用いた、新規良好胚選択法の開発
Project/Area Number |
16H00665
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学C
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
沢田 なぎさ 東京大学, 医学部附属病院, 医療技術職員
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2016: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | 良好胚 / 顆粒膜細胞 / micro RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国における体外受精時の単一胚移植の推進は、多胎予防に大きく貢献している。単一胚移植の成績を向上させるためには、良好胚をいかに正確に選択するかということが最も重要であるが、現行の形態学的分類に基づいて選択された良好胚の着床率は3割程度であり満足のいくものとは言えず、さらに精度の高い選択法の開発が必須である。卵子は卵胞内において顆粒膜細胞に内包されており、顆粒膜細胞は体外受精時に容易にかつ卵子そのものに侵襲を与えずに採取することが可能であるため、卵子の状態を知るマーカーとしての有用性が注目されている。 本研究においては、顆粒膜細胞におけるhas-mir-451発現量が採取時卵子の成熟度を反映しているという既報に基づき、has-mir-451発現量が卵子のその後の受精能、受精後の胚発生能とも関連しするのではないかという仮説のもとこれを検証した。体外受精のうち顕微授精を施行した患者より、卵子周囲の顆粒膜細胞(卵丘細胞)を、卵子毎に回収した。採卵18時間後の受精確認時に、受精成立群(F)と受精非成立群(U)とに分類した。F群に関し、採卵後3日目、5日目に形態学的分類(各々Veeck分類、Gardner分類)により良好胚(G)群と非良好胚(N)群とに選別した。G群とU+N群において、卵丘細胞におけるhas-mir-451発現量を比較したところ、G群においてU+N群より発現がやや高い傾向にあったが、有意差には至らなかった。有意差に至らなかった原因として、検体数が少ないため十分なパワーがなかったこと、あるいは、has-mir-451発現量は採卵時卵子の成熟度は反映してもその後の発生能とは関連しない可能性の両方が考えられた。検体数を増やし検討を重ね、G群、U+N群で優位に発現量に差を認めるということであれば、今後、従来の形態学的分類とhas-mir-451発現量とを組み合わせることにより、より高い精度で良好胚を選別することができるか否か臨床的検討へと進みたいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
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