Project/Area Number |
16H00671
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学C
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
髙橋 恵 東京大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2016: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 血糖測定 / 新規解糖阻止剤の開発 / 長期安定性の確立 |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 : 糖尿病の診断・治療・モニタリングにおいて血糖値は重要な検査項目であるが、現在の血糖測定用のフッ化ナトリウム(以下 : NaF)が添加されている採血管では保存条件や測定までの時間により、血糖が低下している。(研究成果NaF参照)そして実際の医療現場では採血後に直ちに測定することは難しいケースも多いため臨床上の問題とされていた。そこで本研究では、血糖が測定されるまでの時間・保存条件に影響されない新たな解糖阻止物質を開発する事を目的とした。 ○研究方法 : 解糖阻止効果が得られると考えた候補化合物(EDTA、D-マンノース、シュウ酸、塩化マグネシウム)を健常人採血直後の検体に添加し、従来の採血管(研究成果NaF)を対照にグルコースオキシダーゼ法(GOD法)でグルコース値を経時的に測定し、その低下量を検証した。 ○研究成果 : 採血直後のグルコース値を絶対値とし、絶対値からの経時的な低下量を示す。 (1) NaF(血糖管、従来法) : 2時間値-8mg/dl、4時間値-10mg/dl、6時間値-11mg/dl、12時間値-11mg/dl (2) EDTA2Na(血算管、比較用 : 解糖阻止剤なし) : 2時間値-10mg/dl、4時間値-17mg/dl、6時間値-27mg/dl、12時間値-59mg/dl (3) D-マンノース(解糖阻止剤候補) : 0時間値+4mg/dl、2時間値-2mg/dl (4) シュウ酸 : 2時間値-8mg/dl (5) 塩化マグネシウム : 2時間値-7mg/dl 我々の検討では、D-マンノースは対照血清のグルコース値に対し正誤差、シュウ酸および塩化マグネシウムは十分な解糖阻止効果を示さなかった。また、我々の検討から、酸性条件下では一定の効果が認められたが、その他の物質では解糖阻止効果は確認できなかった。 しかし、添加濃度や添加物の組み合わせや類縁体を使用するなどの工夫する事などで、それらの効果を高める可能性もあった。(詳細なデータ等は今後雑誌投稿で公開する予定) よって、今後もこれらの結果から解糖阻止剤の研究を継続し年内の成果発表(英文雑誌投稿)を目指すものである。
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