Outline of Annual Research Achievements |
【目的】高齢フレイル患者の退院後の身体活動量増加を支援し, 退院後1か月, 3か月, 6か月時点の心身機能の変化を経時的に調査することで介入効果を検証することである. 【対象と方法】対象は, 退院時にフレイル(予備軍を含む)が認められた高齢患者12名のうち6か月までの追跡が可能であった5名(性別 : 全例女性, 年齢 : 81.2±4.0歳, 疾患内訳 : 腰椎圧迫骨折2名, 大腿骨頚部骨折2名, 膠原病1名)で, フレイルの判定にはShort Physical Performance Battery(SPPB)を用いた(10点未満). 退院後に1日の目標歩数(1週間の平均歩数+1300歩)を設定し, 目標歩数を目安に身体活動量を維持・向上するように指導・支援した. 退院から1か月, 3か月, 6か月の時点で身体機能, 体組成, ADL能力, 精神心理機能を測定した. 統計解析は, Friedman検定を行った後, Tukeyの方法にて多重比較を行った(有意水準5%). 【結果】身体活動量が目標値に達した症例は1名のみであった. 介入時の平均歩数が3440±971歩/日であるのに対し, 1か月は3178±667歩/日, 3か月は3366±1224歩/日, 6か月は3153±1127歩/日と有意差はみられなかった. SPPBは, 介入時(8.2±0.8)と比べて3か月(10.4±1.5), 6か月(11.6±0.5)で有意に改善した. 膝伸展筋力は, 介入時(16.6±3.4kg)と比べて6か月(20.8±3.5kg)で有意に改善した. しかし, 体組成やADL能力, 精神心理機能には変わりなかった. 【結論】身体活動量増加の達成率は低いが, SPPBや筋力は増加していることから高齢フレイル患者に身体活動量を支援することは身体機能面の改善には有効である可能性が示唆された.
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