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微小マルチドメインを持つ新奇ラシュバ・トポロジカル物質のスピン電子状態の直接観測

Research Project

Project/Area Number16H02114
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Section一般
Research Field Thin film/Surface and interfacial physical properties
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

奥田 太一  広島大学, 放射光科学研究センター, 教授 (80313120)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2020-03-31
Project Status Granted(Fiscal Year 2017)
Budget Amount *help
¥42,250,000 (Direct Cost : ¥32,500,000、Indirect Cost : ¥9,750,000)
Fiscal Year 2018 : ¥5,590,000 (Direct Cost : ¥4,300,000、Indirect Cost : ¥1,290,000)
Fiscal Year 2017 : ¥15,990,000 (Direct Cost : ¥12,300,000、Indirect Cost : ¥3,690,000)
Fiscal Year 2016 : ¥15,730,000 (Direct Cost : ¥12,100,000、Indirect Cost : ¥3,630,000)
Keywords光電子分光 / 表面・界面物性 / スピンエレクトロニクス / スピン分解光電子分光 / 低速電子回折スピン検出器 / マルチチャンネル検出 / レーザーマイクロビーム / ハーフメタル / トポロジカル絶縁体 / 微小ドメイン
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題では、レーザーを用いた微小ビームと新しい高効率スピン検出器を用いて、単一磁区に磁化できないハーフメタルなどの新奇磁性体や、表面が不均質で微小なドメインに相分離したトポロジカル絶縁体などの新奇物質群のスピン電子状態を観測しその物性を解明することを目的としている。
本研究課題遂行のためには(1)既存レーザー光を集光レンズなどにより微小ビーム化すること、(2)これまで開発してきた高効率低速電子回折型スピン検出器の多チャンネル測定化によるさらなる高効率化、の二点を実現する必要がある。特に(2)については従来シングルチャンネルでのみ可能であった電子スピン検出を多チャンネル化するため、通常の半球型電子分析器の出口に新たな電子レンズを導入し、光電子のエネルギーvs角度の二次元分布をスピン検出フィルターに照射し、反射した電子分布を再度二次元検出器で観測することのできる装置の開発を行うことが目標である。まずはスピン検出器に電子を導く前に電子のエネルギーと角度を検出する電子アナライザーの整備が必要となるが、補助金では当初予定していたアナライザーを購入することが不可能であったため既存のアナライザーを改造して代用することにした。そのためアナライザーのコントローラ電源と制御システムのアップデートを行い、現在のPCでも制御可能となるように改造を行った。並行して、光電子の二次元分布をスピンフィルターに輸送するための電子レンズの検討を、軌道計算ソフトを用いて行った。また、レーザー光の集光の準備も行い、既製の光学レンズを用いて数十ミクロン以下の微小ビームが得られることを確認した。またアナライザーを装着する真空チャンバーや試料マニピュレータについても設計・製作を行った。
次年度には検討した電子レンズおよびスピン検出部の実設計・製作を行い、実際に光電子分布を観測しながらレンズパラメータの調整等を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2 :  Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究で開発するマルチチャンネルスピン検出器は、当初、同様の装置を先行して開発していた中国科学院の研究グループと共同で開発することになっていた。しかしながら特許の問題で先方からの協力を100%得ることは難しい状況になってしまった。そのため研究開始当初は進捗に遅れが見られたが、その後我々自身で行った電子軌道計算などの結果、概ね期待した装置性能が計算上は実現可能であることがわかってきている。したがって次年度はじめに予定している実際のレンズ設計・製作には予定通り着手できると考えている。
また、予算の減額により当初予定していた最新の電子アナライザーの購入はできなくなったため、予定していた±15度の広い範囲の光電子放出角度分布を一度に観測することは難しくなったが、既存の古いアナライザーを利用・改造することにより±7度での光電子角度分布の観測は可能となった。したがって少なくともマルチチャンネルスピン検出装置の実機の開発を進めていくことは可能である。
一方、もう一つの開発要素であるレーザー光を用いた微小ビームの実現については、現状で数10ミクロン程度まではすでに実現できており、この部分に関しては進捗状況は順調である。

Strategy for Future Research Activity

H29年度には初年度に行った電子軌道計算結果に基づき、実際の電子レンズの設計及び製作を期間の前半に行う。また、スピン検出に欠かせないスピンフィルター部分については我々がこれまでにすでに長年開発を行ってきている部分でありノウハウはすでに得られている。この部分についてもH29年度に設計・製作を行う予定である。真空チャンバー、試料マニピュレータについても初年度にほぼ準備できている。したがってH29年度後期には、前期に製作した電子レンズやスピン検出器などをH28年度に整備した電子アナライザーに組み込み、実際に光電子をアナライザー、電子レンズ、スピンフィルターなどに順次通して、その二次元分布パターンの様子をMCPなどの二次元検出器で観測することにより設計通りの性能が出ているかどうかを確認する。その結果をフィードバックして電子レンズの電圧パラメータの最適化を行ったり、必要に応じて設計の見直しなども行っていく。

Report

(1results)
  • 2016 Annual Research Report

Research Products

(6results)

All 2017 2016 Other

All Int'l Joint Research Presentation

  • [Int'l Joint Research] 中国科学院(中国)

    • Related Report
      2016 Annual Research Report
  • [Presentation] Spin Resolved Photoelectron Spectroscopy for the investigation of hidden spin polarized states2017

    • Author(s)
      Taichi Okuda
    • Organizer
      21th HiSOR symposium
    • Place of Presentation
      広島大学 (広島県)
    • Year and Date
      2017-03-02
    • Related Report
      2016 Annual Research Report
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] VLEED型スピン検出器によるスピン分解ARPESの現状2017

    • Author(s)
      奥田太一
    • Organizer
      第4回JASRIワークショップ
    • Place of Presentation
      SPring-8 (兵庫県)
    • Year and Date
      2017-02-22
    • Related Report
      2016 Annual Research Report
    • Invited
  • [Presentation] Exploration of hidden spin polarized electron by high-resolution spin- and angle-resolved photoemission2017

    • Author(s)
      Taichi Okuda
    • Organizer
      Symposium on Surface Science & Nanotechnology 25th Anniversary of SSSJ-Kansai
    • Place of Presentation
      Kyoto International Community House (京都府)
    • Year and Date
      2017-01-24
    • Related Report
      2016 Annual Research Report
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] スピン分解光電子分光で探る隠されたスピン分裂状態2016

    • Author(s)
      奥田太一
    • Organizer
      UVSORシンポジウム
    • Place of Presentation
      分子化学研究所 (愛知県)
    • Year and Date
      2016-10-29
    • Related Report
      2016 Annual Research Report
    • Invited
  • [Presentation] 高効率スピン分解光電子分光装置の開発と表面スピン電子状態研究2016

    • Author(s)
      奥田太一
    • Organizer
      日本表面科学会九州支部 平成28年度九州表面・真空研究会
    • Place of Presentation
      九州大学 (福岡県)
    • Year and Date
      2016-06-11
    • Related Report
      2016 Annual Research Report
    • Invited

URL :

Published : 2016-04-21   Modified : 2018-04-23  

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