Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
嵩高いケトンのヒドロシリル化反応において、一般的なシリカゲルクロマトグラフィー用のシリカゲル(Kanto silica gel 60N)を触媒担体として用いた場合に比べ、より平均細孔径が大きいシリカゲル(CARiACT Q-10)を用いた場合において高い触媒活性を示すことが報告されている。平均細孔径が大きいことから、分子が接近しやすくなり反応性が向上したと考えられる。そこで私は、溶液中においては多孔質材料に比べナノ粒子上に担持した触媒の方が、分子がより接近しやすいと考え、ナノ粒子上へ触媒を担持することでさらなる触媒活性の向上を期待している。さらに、近年ではコア-シェル構造を有するナノ粒子の合成手法が確立されてきており、様々なコア-シェル構造を有するナノ粒子を担体として用いることで、触媒活性の外的要因による制御や、機能性の付与などが可能になると考えられる。まず、利用するナノ粒子として酸化チタン(DEGUSSA P-25)を用いて、含ケイ素かご型骨格アルキルホスフィン配位子(SMAP)の担持を試みた。しかしながら、固体NMRによる解析を行ったところ、酸化チタン表面にSMAPは担持されていなかった。恐らく、Ti-O-Si結合より強いSi-O-Si結合の形成を駆動力とした加水分解が進行したためだと考えられる。現在は酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物をシリカコートしたナノ粒子を合成し、その上に担持することを検討している。一方で、酸化鉄をコアとするシリカナノ粒子担体を合成し、SMAPを担持させ、触媒反応に適用させたが、Silica-SMAPに比べて高い触媒活性は示されなかった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。