Budget Amount *help |
¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
Fiscal Year 2018: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2017: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2016: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、研究期間の最終年ということもあり、成果の取りまとめに注力した。その間、補充調査を二回(計2ヶ月)にわたり、イタリアのピサ、フィレンツェ、ラ・スペツィアで実施した。成果公開としては、カトリック聖職者のファシズム支持に関する査読付論文Takashi ARAYA, Il piu' grande evento dopo la Conciliazione: Scenari e retroscena della fedelta' dell'episcopato italiano al fascismo, Annali della Scuola Normale Superiore di Pisa. Classe di Lettere e Filosofia, 10(2), pp. 611-644, 2018を、イタリアの主要学術誌に掲載した。具体的な研究活動としては、収集済み史料のうち植民地法関連の文書を分析し、植民地に暮らす人々がどのように市民権を規定されていたのかを明らかにしようと試みた。その作業を通じ、各植民地では、人種や宗教などによって人々が差別的に分類され、その指標が支配・被支配の方針を形作っていたことが浮かび上がった。また、支配の様態の変化をより詳細に把握するため、植民地の侵略と支配に深く関与した海軍関係の史料にあたることを計画した。イタリア領東アフリカのうち、とりわけ紅海に面するエリトリアでは、その地政学的重要性から、長期間にわたり海軍が統治の任に就いていた。そうした経緯も踏まえ、イタリアの主要な海軍基地であるラ・スペツィアで補充調査を実施し、海軍所有の植民地関連文書、書籍、定期刊行物を収集した。その史料分析の成果ならびに、本研究課題として取り組んできたイタリア領東アフリカ植民地の支配の様態についての論考を、国内学術誌に投稿すべく準備した。
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