Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
二年目にあたる本年度は、昨年度に引き続き、1930年代から占領期にかけての外交文書を中心に、国内外の公文書、私文書の収集・分析を進めた。国内に関しては、国立国会図書館憲政資料室等の主要資料館に所蔵される諸史料に加え、盛岡市先人記念館に所蔵される「杉村濬・杉村陽太郎関係文書」など、従来の研究で十分に利用されてこなかった諸史料を幅広く調査した。国外に関しては、2017年5月にThe National Archivesにおいて、イギリスの対国際連盟政策及び対国際連合政策に関連する外交文書や個人史料を調査した。またケンブリッジのThe Churchill Archives Centreでは、戦前期にイギリス外務省主席法律顧問を務めたウィリアム・マルキン(William Malkin)など、本研究に関連する人物の個人史料を悉皆的に調査した。次に、論文執筆や学会・研究会等での報告状況について説明する。本年度は「戦間期日本外交と国際秩序」(『歴史と地理』第712号、2018年3月)を執筆した。この論文では、先行研究の成果を踏まえつつ、戦間期日本における安全保障政策の変遷を国際秩序への対応という観点から分析し、さらには満州事変や日中戦争の意義についても再検討を試みた。また、第78回内務省研究会では、戦後安全保障政策の形成過程を念頭に置きつつ、「日中戦争下の『集団安全保障外交』」というタイトルの報告を行った。この報告では、日英両国の外務省法律顧問の比較検討を通して、政策決定過程において国際法学者が果たした役割をグローバルな視点から分析した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
All 2018 2017
All Journal Article (2 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
歴史と地理
Volume: 712
国際比較政治研究
Volume: 26 Pages: 107-128
40021349966