Project/Area Number |
16J04658
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
海上 貴彦 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2018: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2017: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2016: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 摂関家 / 後宮 / 院政の成立 / 藤原頼通 / 摂関継承 / 摂関 / 大殿 / 継承 / 訴訟制度 / 九条道家 / 五摂家の分立 / 藤原道長 / 藤原師実 / 摂関家の成立 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は摂関家成立の問題に後宮秩序の観点から取り組んだ。 第一に、摂関家成立の前提として藤原頼通の関白辞任について考察した。これまでその経緯を語る史料として用いられてきた『古事談』の説話について再検討し、頼通の関白辞任についてはそれに関わる各政治主体の思惑が交錯し、一元的な決定権を有する者の不在により摂関継承が機能不全を起こしていたという背景を解明した。そして、摂関父子継承が頼通の子息師実以降に軌道に乗ることに、後三条天皇以降の院政の成立という要素が影響していたのではないかと問題提起をした。 それを踏まえて第二に、院政期の後宮秩序とそこでの摂関家の位置づけについて検討した。後三条朝以降天皇や院が後宮編成のヘゲモニーを握るようになるが、そこでは天皇の正配についてはまず摂関家の女性が第一候補となり、別の家の女性が入内する場合は院など王家関係者と養子関係を結ぶというのが基本原則であった。つまり摂関家が天皇の姻戚(外戚候補)として特別な位置を占めていたのであり、摂関在任者や経験者が天皇外戚となることが理想とされていたことがわかる。よって、従来摂関家は鳥羽天皇践祚の段階で摂関と外戚の地位とが分離し、天皇との外戚関係の有無にかかわらず摂関が特定の家柄によって継承されるようになることをもって成立するとされてきたが、むしろ後宮秩序の中で特別な位置づけを有していたことが摂関の地位を継承する根拠となっており、摂関家成立の前提であったと結論した。それにより、後三条朝から後嵯峨院政のころまでは王家と摂関家の姻戚関係を重要要素として朝廷の権力核が構成されていたが、鎌倉後期以降摂関家出身女性の立后が途絶することに朝廷の権力構造の本質的な変化が見いだせるのではないかとの展望を得た。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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