Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
今年度は、博士論文の執筆に多くの時間を費やし、それをより精緻化するための学会報告や現地での追加調査などを行った。まず、日本中東学会では、博士論文の2節分をまとめ報告を行った。ヨルダン王政によるエルサレム問題への関わりを軸に、和平交渉なども含む公的政治のレベルを重点的に取り上げた。報告では、ヨルダン以外の中東諸国を専門とした政治研究者からも建設的なコメントを得ることができ、今後の研究の拡がりを考える上でも有意義な報告となった。続く二つの報告では、博士論文の概要を約めた構想発表をベースとして研究発表を行った。両報告では、エルサレムとヘブロンの二聖都を取り上げ、それらの政治状況の異なりを認識しつつも、その共通性をより重点的に論究した。これまでの研究では、そうした類似性が指摘されるに留まっており、本格的な複数事例研究としては分析がなされてこなかった。いずれの報告においても、二つの事例を同時に取り上げ、共通の枠組みのなかで議論する意欲が評価された。その一方で、歴史的な政治活動の発展径路や、エルサレムという存在の重みといった課題もやはり指摘された。これらの報告は、両者の事例間の関係を改めて考え直す契機となり、博士論文の構想報告として実り多きものとなった。また、平成30年2月、3月には、約1ヶ月の間、エルサレムを中心に博士論文の予備調査を実施した。昨年度までの渡航では、文献資料の収集やその解析を優先的に行ってきたが、今回の渡航では、宗教指導者などを中心に、エルサレムの聖地における信仰実践やその社会生活との結びつきなどに関して聞き取り調査を行った。本渡航による調査で得た情報は博士論文の修正に大いに役立ち、次回以降の調査にも繋がる人的ネットワークの拡張にも成功したと思われる。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2017 2016
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
イスラーム世界研究
Volume: 10巻 Pages: 152-176
120006305788
国際政治
Volume: 189号
130007535544