反強磁性体における幾何学的位相による量子輸送現象の理論的研究
Project/Area Number |
16J05516
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
仲澤 一輝 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2017: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 反強磁性体 / 量子輸送現象 / トポロジカルホール効果 / スピンカイラリティー / ゲージ場 / バーテックス補正 / スピントロニクス / スカーミオン / ベリー位相 / スピンゲージ場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題は,反強磁性体における量子輸送現象の性質を調べることであるが,平成28年度はそれに先立って,強磁性体におけるトポロジカルホール効果(THE;磁化の非共面的構造によって横電流が誘起される現象)を調べた.これまで,伝導電子スピンと局在磁化の交換相互作用(s-d相互作用)が強い領域と弱い領域でTHEが調べられていたが,我々はそれらの何れでもない「中間結合領域」が存在し,多様な領域に応じてTHEの物理的解釈が異なることを認識した. 平成29年度は,s-d相互作用の強さや磁化構造の波長などのパラメータで特徴づけられる様々な領域において,THEの物理的な描像とホール伝導度(THC)の解析的表式を明らかし,より多様な物質・状況に適用できるTHEの理論の完成を目指した. まず,磁化構造の波長が伝導電子の平均自由行程よりも長い場合には,ゲージ場の方法という統一的枠組みによって説明され,中間結合領域においては,電子拡散の寄与が重要であることが分かった.また,s-d項を摂動的に取り扱うことによって,スカーミオン格子において,様々な波長をもつ磁化構造の下でのTHCの定性的振舞いを明らかにした.さらに,フランスの実験グループとの共同研究により,弱強磁性体Ca1-xCexMnO3で生じる巨大なトポロジカルホール効果の実験結果が,本研究の中間結合領域における結果によって定性的に説明できることが分かった. 続いて,元々の課題であった反強磁性体中の量子輸送現象の研究にとりかかった.これまでの理論研究によって,ネールベクトルが非共面的構造を持つことによってスピンホール効果が生じることが知られているが,我々はこれまで指摘されていなかったゲージ場の非断熱過程による寄与を見出した.
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)