シュレディンガー方程式の散乱行列の構造とハミルトニアンの摂動に対する漸近解析
Project/Area Number |
16J05967
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Mathematical analysis
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
蘆田 聡平 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2017: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2016: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | シュレーディンガー方程式 / 多体問題 / ボルン・オッペンハイマー近似 / レゾナンス / 伝播評価 / 分子前期解離 |
Outline of Annual Research Achievements |
外向き進行波の形をした複素固有値の一般化固有関数の固有値はレゾナンスと呼ばれる。私は電子と原子核が存在するときに電子と原子核の質量比の平方根を小さいパラメーターhとするボルン・オッペンハイマー近似に現れる作用素のレゾナンスの位置を決定した。 行列型の作用素の2つのポテンシャル交差から離れた実部を持つレゾナンスの位置を、WKB的な解の構成により決定した。特に共鳴状態の寿命に関わるレゾナンスの虚部に関して、主要項を具体的に計算することに成功した。このようなレゾナンスは分子の分光学的な研究において結合性の電子状態に励起された分子が無輻射遷移によって解離性の電子状態に移ることにより解離する、分子前期解離と呼ばれる現象に関係している。を果たしている。 レゾナンスの虚部は井戸と外部を分ける障壁の大きさを表わす積分が大きくなると指数関数的に小さくなることを示した。 私は4区間で解を構成し、ポテンシャルの交差が起きる点での接続係数が簡単になるよう解の基底を取り直すことでレゾナンスの虚部(レゾナンスの幅)の正確な計算を可能にした。 私は行列型の作用素Pに対し、Pの非対角成分が遠方で減衰する場合に、対角成分に対するいくつかの仮定の下で、Mourreの不等式と呼ばれる作用素の不等式を示した。これにより、特異連続スペクトルが存在しないこと、連続スペクトルに対応する波動関数の原子核間距離が開いていくことを示した。また、Pが非対角成分も含めて多体の構造を持つ場合に、部分系の固有値である閾値を除いてMourreの不等式が成り立つことを示した。この結果は行列型の作用素Pによる散乱理論を考える上で基礎となる結果である。 また、私は減衰が遅い長距離型ポテンシャルの場合に多体問題における散乱行列の一般化固有関数の漸近挙動に基いた定義を与え、その散乱行列が時間発展に基いた散乱行列と等価であることを示した。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)