ブラジル農業コミュニティの生活戦略に関する社会人類学的研究
Project/Area Number |
16J06558
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
吉村 竜 首都大学東京, 人文科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 移民 / ブラジル日系人 / エスニシティ / ブラジル / 協同組合 / ネオリベラリズム / 世帯戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ブラジル農業コミュニティにおける日系人の農家の生活戦略から、グローバル経済の農村社会への影響を考察するものである。昨年度は、「農家」としての意思決定に着目することにより、個々に利潤追求をしつつも農協編成により各農家の経済的不調和を抑止しようとする、という意味での二重状況を明らかにした。対して本年度は、「日系人」としての社会的紐帯や個々人の自己規定に焦点化した調査から、ブラジル社会での日系人の対応を考察した。なお、本調査は昨年度と同じく、サンパウロ州ピラール・ド・スール市(以下ピラール)にて実施した(2017年4月~2018年1月)。 本年度は、1953年にピラールの日系人が結成した「文化体育協会」(以下文協)の会員を中心に、文協結成の史的背景や諸活動の運営状況、自治体との関わり、使用言語状況、会員個々人の移住史に関するインタビュー調査を実施した。同時に、ピラール、および文協と当地日系農協の展開に関する史料収集と整理を行った。 これらの調査記録からは、文協結成から60年を経て、文協会員のピラール社会での社会的位置は、2世会員の職業選択の多様化や、農業を営む会員の経済的安定を目指す日系農協の編成などの、個々人の経済力を基層に上昇してきたことがわかった。日系人の経済的・社会的上昇の背景には、日本に出自を持つ人々が文協を構成し、彼らが文協の秩序と規律を遵守するといった内容の「定款」にもとづき、日系人が会員としてのふるまいをしてきたことが挙げられる。ところが近年、会員の非日系人との婚姻の進展に伴い、会員間で価値観の齟齬が生じたため、文協では入会規定の改訂をめぐって意見対立したことが、本調査から明らかとなった。 したがって、日系農家のグローバル経済への対応と、文協会員のピラール社会へのエスニックな対応を動態的にとらえ、博士論文として記述することが、今後の研究課題となる。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)