Project/Area Number |
16J07221
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
History of thought
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水野 博太 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2018: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2017: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2016: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 井上(楢原)陳政 / 漢学 / 支那学 / 漢学改革論 / 実用支那学 / 島田重礼 / 支那哲学 / 明治時代 / 東京開成学校 / 草創期の東京大学 / 井上哲次郎 / 服部宇之吉 / 孔子教 / T.H.グリーン / ヘルバルト主義教育思想 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度に引き続き、井上(楢原)陳政の漢学改革論について調査・研究を継続し、10月の日本思想史学会である程度まとまった研究発表として報告することができ、最終的には、1本の論文にまとめ上げることができた。同論文は現在『中国哲学研究』(東京大学中国哲学研究会)第30号に投稿し、査読を通過して掲載が決定した。 井上(楢原)陳政の漢学論については前年度報告書の中で簡単に紹介したが、いま再び取り上げるならば、早くから清国公使館で清国人から漢学を直接学んだという特殊な経歴を持つ陳政は、明治20年代において、それまで西洋的な「実学」とは程遠い、あるいは対極に位置する存在として批判の対象とされてきた「漢学」について、むしろ隣国(清国)との政治・経済上の交際を深めていく上で不可欠な要素であると考えた。ただし、陳政は江戸時代以来の漢学をそのまま肯定したのではなく、清国の政治・経済において中核を占めていると考えられた科挙官僚や郷紳たちの知識水準に寄り添うような形で既存の漢学に改革を施し、そのような新しい漢学を学び、彼らと同水準の知識を身につけた人材が日清関係を司ることが重要であると考えた。このような観点から、陳政は漢学を「実用支那学」あるいは「操縦東亜之利器」などと呼んでいる。 上記に関する調査・研究を進める過程で明らかになったのは、明治20~30年代の漢学改革論、ひいては本研究の主題である「支那学」(シノロジー)が、「国語」、より広く言えば「教育」をめぐる議論と深く結びついており(例えば、上述の投稿論文の中でも取り扱った「中学校漢文科名廃止論争」など)、それゆえ、これまで余り注意を払って来なかった、近代日本教育史の研究蓄積を今一度渉猟する必要があるということである。この点については、今後の研究課題としたい。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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