Project/Area Number |
16J09090
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
千野 貴裕 国際基督教大学, その他, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 政治思想史 / イタリア / グローバル政治思想史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、20世紀前半におけるイタリアと日本の思想家による社会構想の比較検討を「近代」 概念に着目しつつ行う研究である。既存の研究では、しばしば西洋対東洋といった本質論的図式に位置付けられてしまう日伊の思想だが、世界の「周縁」に位置する両国の思想家は、資本主義などの「近代」の諸価値への対応を求められた点で、共通課題をもっていた。グローバル思想史に対する関心は世界的に高まっているが、その対象や方法をめぐる議論に終始している段階である。本研究は、両国におけるマルクス主義と自由主義の「近代」への応答を比較検討することで、グローバル思想史の具体的成果を提供することを目的として開始されたが、研究代表者の常勤職への異動に伴い、一年目のみで中断となった。しかし、以下の成果を出すことができた。 まず、Journal of World Philosophiesに掲載された査読付き論文“Is Western Marxism Western? The Cases of Gramsci and Tosaka”が挙げられる。「西欧マルクス主義」の「西欧」は理論的特徴と同時に地理的特徴を示している点に問題がある。その問題が典型的に現れるのが、いわゆる西欧マルクス主義と同じ理論的特徴をもつにも関わらず、地理的に西欧に位置しない思想家の扱いである。この論文では、西欧マルクス主義の代表格であるグラムシと、日本の戸坂潤の二者を比較検討することを通じて、西欧マルクス主義というカテゴリーの曖昧さを批判した。また、グローバルな政治思想史の方法論に関して、筆者は、同時代に同じ思想潮流のなかから、同時多発的に現れた傾向(本論文の例で言えば、マルクス主義における人間や社会の自律性の強調)に光を当てることが、グローバルな規模でのある時代の社会的課題とそれへの取り組みを明らかにすることになると提示した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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