Project/Area Number |
16J11229
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Childhood science (childhood environment science)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
櫻木 敬子 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2017: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | チンパンジー / 母子 / 養育 / アロマザリング / 姉 / 移動 / 待つ / joint travel / allomothering |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「チンパンジーの育児が母親による単独型と言ってよいか」という問いの元、移動の開始の場面に着目してすすめてきた。結論として、移動に際しては基本的に母親が単独で子の世話をする。ただ、一定の成長段階に達したアカンボウに対しては、非母親(とくに姉)が世話をすることがある。また、それによって母親の負担が減っている可能性がある。さらに、従来チンパンジーの母親は、非母親によるアカンボウの世話を「許容することがある」とされてきたが、母親自ら年長の子供(アカンボウにとって年上のきょうだい)を頼り、任せている可能性がある。 分析に用いたのは、タンザニア・マハレ山塊国立公園に生息するチンパンジー12母子ペアの行動データである。日常的に移動を共にする兄を持つアカンボウはいなかったため、収集できたのは姉を持つアカンボウのデータのみであった。アカンボウが移動時に自力で歩くことができる2歳以上の母子ペアにおいて、1.母・姉ともに、移動開始時の母子間距離が大きいときほどアカンボウを待つこと、2.姉がいない母子ペアと比べ、姉がいる母子ペアのほうが、母親がアカンボウを運ぶ頻度および待つ頻度が低いこと、がわかった。さらに、線形混合モデルを用いて母親がアカンボウを待つ行動に影響を与える要因を調べたところ、母子間距離が大きいとき、アカンボウが鳴いたとき、そして姉がいないペアにおいて、より多く待つことが示唆された。母・姉ともに、互いのおよびアカンボウの位置や状況を把握し、アカンボウがより待ってもらうことを必要としているときに待っている可能性が高い。また、姉がいることが母親による世話行動を減らし、母親の負担を小さくしている可能性がある。 本研究をまとめた論文は、数カ月以内に投稿予定である。2017年度は国内学会および国際シンポジウムでの発表を行ったほか、事例報告の共著論文を投稿し、年度明けに受理された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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