金属酵素のナノ反応空間における基質の配向および反応選択性の制御
Project/Area Number |
17036071
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
藤井 浩 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 助教授 (80228957)
|
Project Period (FY) |
2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 金属酵素 / 反応機構 / 反応選択性 / 人工酵素 / ミューテーション |
Research Abstract |
酵素反応は高い立体および位置選択性を示す。これは、酵素が作る反応場の構造に由来している。酵素の反応場には基質結合サイトと活性サイトがあり、基質結合サイトは基質のある特定部位が活性サイト近傍になるように基質を固定している。そのため活性サイトから攻撃をうける部位は限定され、高い反応選択性を示すのである。我々はこの考えを逆手にとり、基質の中で我々が反応させたい部位が活性サイト近傍に位置するように酵素内で新たに基質結合サイトを再構築することができれば、ひとつの酵素からさまざまな物質を立体選択的に合成できると考えた。そこで本研究ではこの考えを検証するため、ヘムオキシゲナーゼを用いて本手法に基づいた反応選択性の人為的制御を試みた。ヘムオキシゲナーゼは、生体内で不要になったヘムタンパク質から遊離したヘムを酸化的にビリベルジンと一酸化炭素と鉄イオンに分解する酵素である。多くのヘムオキシゲナーゼはヘムのα位を酸化的に解裂させるようなα選択性をもつ。ヘムオキシゲナーゼの立体構造を基に基質結合サイトを再設計(リホーム)し、α異性体以外の我々が望む選択性をもった酵素に人工的に変換することをめざした。本年度の研究により、α選択性をもった酵素の活性中心を先に示した方針に従い再構築することにより、δ選択性をほぼ100%示す酵素に変換することに成功した。酵素の立体構造解析の結果、基質の配向が設計どおり変化していることが明らかになった。さらに、β選択性をもつ酵素に変換するための基礎的知見を得た。ヘムの配向に2つのアミノ酸残基が関わっていることを明らかにした。これにより、β選択性酵素の作成への手がかりを得ることができた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)