がん手術後フォローアップに対する医療経済評価ツールの開発に関する研究
Project/Area Number |
17659146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Medical sociology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
濃沼 信夫 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (60134095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 道哉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70221083)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 癌 / 医療経済 / フォローアップ / モデル化 / 医療費 / 大腸がん / 費用便益分析 / Markov model / がん術後フォローアップ |
Research Abstract |
最近の癌治療は、初期治療に加えて長期フォローアップの重要性が増している。技術進歩等で長期生存者が増加し、失われた機能の回復や再発の防止が大きな課題になってきたためである。しかし、フォローアップの方法や有効性について、経済面からの検討はほとんどなされていない。本研究は、癌手術後のフォローアップ体制や投じる資源の妥当性を、医療経済の観点から検証することを目的とする。 大腸癌の術後ファローアップを類型化し、再発形式、生存予後、患者QOL、医療費を比較するシステムモデルをMarkovモデルに準じて開発した。モデルのパラメータの算出には、大腸癌術後フォローアップ研究会に登録されたデータ(大学病院を中心とする全国16施設、結腸癌3,092例、直腸癌2,507例、観察期間5年)を用いた。モデルにこれらパラメータを投入して、費用便益分析等を実施した。 Stage Iの結腸癌は814例、直腸癌は785例である。これらの癌の術後フォローアップによる救命数増加は各4.0%、5.5%であり、純便益は各9,221万円、1億6,396万円、医療費の減少は各768万円、1,056万円、費用と便益の差額は各3億5,943万円、1億2,735万円である。再発後生存率は、現在、結腸癌15.0%、直腸癌33.3%である。すなわち、医療経済の観点からは、結腸癌ではファローアップ費用の低減が絶対条件となり、直腸癌では再発後生存率を改善することが重要と考えられる。 一方、Stage IIの結腸癌は1,270例、直腸癌は790例である。このうち再発は各170例、180例、再発後の生存数は各47例、35例である。フォローアップの平均費用を、平成16年の医科診療報酬点数表をもとに算出すると、再発1人発見に要する費用は、結腸癌195万円、直腸癌132万円である。また、1人救命に要する費用は各704万円、679万円であり、これは社会的に支出を容認されうる水準と考えられる。フォローアップによる救命数増加は、結腸癌18.5%、直腸癌13.0%である。大腸癌術後フォローアップの経済的効果は十分高いと考えられる。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)