テレマティックス音声対話における安全性と快適性の評価に関する研究

• Project/Area Number: 17700173
• Research Category: Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
• Allocation Type: Single-year Grants
• Research Field: Perception information processing/Intelligent robotics
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 西本 卓也 The University of Tokyo, 大学院・ 情報理工学系研究科, 助教 (80283696)
• Project Period (FY): 2005 – 2007
• Project Status: Completed (Fiscal Year 2007)
• Budget Amount: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000); Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000); Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000); Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
• Keywords: 早口音声 / 心的負荷 / NASA-TLX / 単語親密度 / 心的辞書アクセス / 単語了解度 / 学習効果 / テレマティックス / 音声対話 / 操作負荷 / 音声合成 / 対話制御 / マルチモーダル / モーションセンサ / 対面朗読

Research Abstract

3年間の研究期間の最終年度として、対話システム構成要素における心的負荷の評価を行い、研究のまとめを行った。
特に高品質早口音声の聴取タスクに着目し、これを心的負荷の観点から評価した。具体的には、親密度別単語音声データFW03から作成した2倍速および4倍速の音声を聴取させた。これらの検討は、客観的尺度(タスクパフォーマンス評価、二重課題法など)、主観的尺度(NASA-TLXなど)の両面から行った。
まず予備実験としてオリジナル速度と2倍速の音声の聴取実験を行い、NASA-TLXによる評価プログラムを新たに開発し、単語了解度と心的負荷の関係を確認し、手法の妥当性を検証した。
さらに、単語親密度と学習効果がこれらの課題遂行に与える影響を明らかにする実験を行った。30人以上の被験者による実験の結果、以下の仮説を支持する結果が得られた。
(1)学習の効果は「課題そのものへの慣れ」「ボトムアップ情報としての聴覚刺激に対する慣れ」「トップダウン情報としての心的辞書アクセスにおける慣れ」の3つに対して個別に現れる。親密度の低い単語を聞き続ける場合はトップダウン情報に関する学習は阻害される。反対に、親密度の高い単語を聞き続ける場合はトップダウン情報に関する学習が促されるため、学習効果が得られやすい。
(2)トップダウン情報を多く活用できるほど、心的負荷は軽減される。早口化されて明瞭性の低くなった音声を聴取する際に、親密度の高い単語の聴取であっても、被験者がトップダウン情報を活用しようとしていれば心的負荷は軽減される。これに対して、トップダウン情報に頼らずに聞き取ろうとする場合は、心的負荷は高まる。

Research Products

• [Journal Article] 頭部モーションセンサと音声を用いた対話インタフェースの検討 (2007)
  • Author(s): 會田 卓也, 西本 卓也, 大川 茂樹, 嵯峨山 茂樹
  • Journal Title: 電子情報通信学会技術報告(WIT) WIT2006-87 Pages: 85-90
  • NAID: 10018512089
• [Journal Article] 対面朗読者と視覚障害者の対話の分析とその応用 (2007)
  • Author(s): 西本 卓也, 嵯峨山 茂樹, 藤原 扶美, 下永 知子, 渡辺 隆行
  • Journal Title: 情報処理学会研究報告(SIG-SLP) Vol.2007 No.11 Pages: 55-60
  • NAID: 110006224487
• [Journal Article] 視覚障害者用早口合成音声に対する慣れの効果 (2007)
  • Author(s): 西本 卓也, 酒向 慎司, 嵯峨山 茂樹, 小田 浩一, 渡辺 隆行
  • Journal Title: 日本音響学会2007年春季研究発表会講演論文集 2-8-13 Pages: 357-360
• [Journal Article] マルチモーダル対話システムのためのアーキテクチャ階層化 (2006)
  • Author(s): 西本 卓也
  • Journal Title: FIT2006イベント企画「音声・マルチモーダル対話記述とその標準化」予稿集
• [Journal Article] A study of dialogue management principles corresponding to the driver's workload (2005)
  • Author(s): Takuya Nishimoto, Makoto Shioya, Juhei Takahashi, Hideharu Daigo
  • Journal Title: Biennial workshop on Digital Signal Processing for In-Vehicle and mobile systems (Sesimbra, Portugal) Vol.2(CD-ROM)
• [Journal Article] 頭部モーションセンサと音声を用いた対話インタフェースの提案 (2005)
  • Author(s): 曾田卓也, 西本卓也, 中沢正幸, 大川茂樹, 嵯峨山茂樹
  • Journal Title: ヒューマンインタフェースシンポジウム2005講演論文集 Pages: 601-604
• [Journal Article] 早口合成音声に対する聴取者の慣れの効果の検討 (2005)
  • Author(s): 西本 卓也, 酒向 慎司, 嵯峨山茂樹, 大島 一恵, 小田 浩一, 渡辺 隆行
  • Journal Title: 日本音響学会2005年秋季研究発表会講演論文集 Pages: 355-356
• [Journal Article] A Study on Dialog Management Corresponding to the Driver's Workload and Other Factors (2005)
  • Author(s): Juhei Takahashi, Makoto Shioya, Takuya Nishimoto, Hideharu Daigo
  • Journal Title: 12th ITS World Congress (San Francisco) Vol.12(in CD-ROM)
• [Journal Article] 対面朗読者と視覚障害者の対話の分析 (2005)
  • Author(s): 西本 卓也, 小川 佳奈子, 渡辺隆行
  • Journal Title: 電子情報通信学会技術報告 WIT2005-75 Pages: 7-12
  • NAID: 110004690103
• [Presentation] The Effect of Learning on Listening to Ultra-Fast Speech (2008)
  • Author(s): Takuya NISHIMOTO, Yukika KARIYA, Takayuki WATANABE
  • Organizer: Acoustics'08 Paris
  • Place of Presentation: Paris
  • Year and Date: 2008-07-04
• [Presentation] 早口音声の聴取訓練における単語親密度の影響 (2007)
  • Author(s): 西本 卓也, 狩谷 幸香, 渡辺 隆行
  • Organizer: 音声言語シンポジウム(電子情報通信学会SP/NLC・情報処理学会SLP)
  • Place of Presentation: 京都府
  • Year and Date: 2007-12-20
• [Presentation] 早口音声聴取における単語親密度と学習効果の検討 (2007)
  • Author(s): 狩谷 幸香, 西本 卓也, 渡辺 隆行
  • Organizer: 電子情報通信学会福祉情報工学研究会(WIT)
  • Place of Presentation: 東京都
  • Year and Date: 2007-12-05
• [Presentation] 早口音声聴取における単語親密度とメンタルワークロードの検討 (2007)
  • Author(s): 西本 卓也, 狩谷 幸香, 渡辺 隆行
  • Organizer: 日本音響学会2007年秋季研究発表会
  • Place of Presentation: 山梨県
  • Year and Date: 2007-09-20
• [Presentation] 早口音声の聴取における学習効果と加齢の影響 (2007)
  • Author(s): 西本 卓也, 渡辺 隆行
  • Organizer: Human Interface 2007シンポジウム
  • Place of Presentation: 東京都
  • Year and Date: 2007-09-06