Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
我が国においては世界的にも類を見ない速度で「少子超高齢化」が進んでおり,このことが様々な面で大きな社会問題の一つとなっている。ちなみに総務省が発表した統計調査結果によれば,平成16年度における65歳以上高齢者人口の総人口に占める割合は,19.5%と過去最高を更新し,10年後には4人に1人が高齢者になると予測されている。高齢者においては老化による身体機能の低下が重要な問題であり,そのため様々な分野でバリアフリー化が進められている。老化による身体機能の低下としては様々なものが挙げられるが,その中の1つに「老人性白内障」(以下,白内障とする)を挙げることが出来よう。白内障は眼球内においてレンズの役割を果たしている水晶体が,加齢に伴って混濁・黄変化することにより起こるものであり,白髪や皮膚のしわと同じく誰にでも起こりうる老化現象の一つである。手術を除いて一度始まった水晶体の混濁・黄変化が回復することはなく,年齢と共に徐々に進行していく。従って,高齢になるほど発生率は高くなり,その割合は50歳代で6割近く,80歳以上では9割以上になると言われている。 そこで本研究では,視覚工学の観点より,高齢者の視覚機能(特に白内障)を考慮した「視覚バリアフリー」情報呈示のための基礎的データを提供することをその目的としている。そこで平成18年度は,17年度に引き続き白内障に関する情報収集を行った。また17年度の実験において,白内障の場合ではそうでない場合と比較して周囲の光による色の認識への影響が大きいことが明らかとなり,それ故,周囲照度の変化と色の見え方について測定を行った。その結果,赤とオレンジと認識される範囲に大きな差があることが明らかとなった。得られたこれらの結果は国内外の学会において発表を行った。国外ではオランダで開催されたIEA2006大会で発表を行い,国内では,照明学会や人間工学会の全国大会にて発表を行った。
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