Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
|
Research Abstract |
我々のこれまでの研究結果から,1日1時間程度の間欠的な常圧低酸素環境への暴露により,高度4,300m以上,いわゆる高高所を模擬した環境においては,運動時の換気応答の増加が認められ,この増加が動脈血酸素飽和度(SaO2)の改善に貢献することが明らかにされている.これらの結果から,1日数時間程度の間欠的低酸素暴露により,高高所での高山病の軽減やパフォーマンス向上が推測される.しかしながら,この間欠的低酸素暴露がいわゆる準高所と呼ばれる高度2,500m程度における低酸素環境下での運動時の呼吸循環応答に及ぼす影響については不明である.そこで,本年度の研究では,短期間の間欠的低酸素暴露が,準高所を模擬した環境における運動時の呼吸循環応答を明らかにすることを目的とした.被験者は健康な男性21名とした(低酸素群14名,対象群7名).低酸素群をさらに酸素濃度の異なる2群に振り分けた:低酸素群1(7名),低酸素群2(7名).間欠的低酸素暴露には,低酸素テントを使用し,低酸素制御装置からの酸素濃度は低酸素群1では15.5%,低酸素群2では12.3%に設定した.1日の暴露時間は1時間,期間を7日間とした.7日間の間欠的低酸素暴露前後に15.5%の酸素ガスを吸入(高度2,500mを模擬)させ,安静時及び運動時の呼吸循環応答の測定を実施した.また,安静時において低酸素換気応答(HVR)を測定した.低酸素群2において,HVRの有意な増加が間欠的低酸素暴露後に認められたが,低酸素群1及び対照群では変化は見られなかった.高度2,500を模擬した15.5%酸素吸入による運動時の換気量及びSaO2にはすべての群において有意な変化は認められなかった.これらの結果から,短期間の間欠的低酸素暴露による低酸素換気感受性の変化は,準高所における運動時の換気応答に影響を及ぼさないことが示唆される.
|