Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究では、数あるヨーロッパの都市の中でなぜウィーンのみに「音楽都市」というイメージが具わり現代に至っているのかというテーマについて、観光事業を切り口として文化史的にアプローチした。とりわけ研究の最終年度にあたる今年度は、包括として次の4点を明らかにした。・ ハプスブルク帝国は、統一ドイツの覇権を巡ってプロイセンと熾烈な競争を展開し、その際「ドイツ芸術の護り手」として自らの優位を広く知らしめるため、ドイツ美学の中でもとりわけ重んじられていた音楽に着目し、首都ウィーンを「音楽都市」としてアピールした。・ この流れがオーストリア共和国にも受け継がれた。共和国は、国のアイデンティティを確保し、観光立国として繁栄させるために、「音楽都市ウィーン」のイメージを広め、数多くの観光客を誘致することを必須の課題とした。・ 特に第二次世界大戦以降、共和国が自治権を取り戻し、中立国として再出発するに及び、「音楽」による平和的文化交流の場として「音楽都市ウィーン」のイメージがクローズアップされるようになった。さらに1960年代以降における観光産業の隆盛により、「音楽都市ウィーン」のイメージはさらに強固なものとなった。・ ただしマス・トゥーリズムヘの迎合一辺倒ではなく、利便性に富んだ資料館や図書館を作ったり、音楽をテーマにした企画展を開催したりと、専門家や音楽愛好家のニーズにも応える幅広い政策が、官民の協力によっておこなわれている。これは我が国の文化事業にとっても、重要な示唆となる状況に他ならない。
All 2007 2006 2005
All Journal Article (18 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Book (2 results)
年刊ワーグナー・フォーラム2007
Pages: 88-102
フィルハーモニー 79
Pages: 16-22
日本経済新聞(朝刊) 10月28日
Pages: 32-32
レコード芸術 56巻・3号
Pages: 66-69
日本フィルハーモニー交響楽団 第588回東京定期演奏会プログラム
Pages: 12-13
東京のオペラの森 公演プログラム2007
Pages: 60-61
東京のオペラの森 公演ブログラム2007
Pages: 64-64
ムジカノーウア 38巻・4号
Pages: 78-81
レコード芸術 55巻・6号
Pages: 29-30
「こうもり」フロクフム(新国立劇場)
Pages: 18-20
二機会通信 268号
Pages: 4-5
NOMORI PRESS 6号
Pages: 3-4
言語(大修館書店) 3月号
Pages: 2-3
秋田さきがけ新報 (5月25日夕刊)
Pages: 7-7
レコード芸術(音楽之友社) 5月号
Pages: 242-245
レコード芸術(音楽之友社) 7月号
Pages: 251-254
レコード芸術(音楽之友社) 9月号
Pages: 249-252
レコード芸術(音楽之友社) 11月号
Pages: 263-266