『元史』の志と表の再編纂-大元ウルスの政治と文化の解析-
Project/Area Number |
17720067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Literatures/Literary theories in other countries and areas
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮 紀子 Kyoto University, 人文科学研究所, 助教 (60335239)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 東洋史 / 中国文学 / 地理学 / モンゴル時代 / 東西交流 / 出版 / 事林広記 / 混一疆理歴代国都之図 / 大元ウルス / 『農桑輯要』 / 禅宗 / モンゴル / 中央アジア / 碑刻 / 外交 / ジャムチ / 元史 / 儒教 / 徽州文書 / 農業 / 仏教 |
Research Abstract |
まず、『元史』の「食貨志」に記載のない英宗シディバラ以降の大元ウルスの勧農政策を再構成し概説を試みた。魯明善『農桑衣食撮要』をはじめとする農書のテキストの成立、由来についても少なからぬ新事実を提示した。また、「混一疆理歴代国都之図」という、モンゴル時代に成立した世界地図の成立過程、日本への伝来の経緯を検討、「地理志」の書き換えはもちろん、13〜15世紀にかけて、ユーラシアから朝鮮半島、日本に渉って広く共有された文化をさまざまな角度から眺め、空前絶後のひと・もの・知識の交流について、これまでの研究成果をヴィジュアルな概説書にまとめ社会への還元につとめた。同書では、地図と同様、時代と国を越え、王侯、貴族、官僚、僧侶たちの座右に置かれ愛用された『事林広記』という挿絵入りの百科事典についても広く紹介を試みたが、その過程で、対馬藩の宗家の旧蔵に係る現存最古のテキストを発掘、従来知られていた諸版本と比較検討し、価値を措定した。さらには、この宗家のテキストの欠落部分を補う写本をも、滋賀県の叡山文庫に再発見した。その結果、世祖クビライの中統、至元年間の初めは、金朝の儀礼や官僚制度がいくぶんの改良を加えながらも踏襲されていたことが証明され、『元典章』などにのこる官職一覧表よりも早い段階のリスト、図の存在から、南宋接収直前のモンゴル朝廷の様子、システムが浮かびあがってきた。したがって、「百官志」「刑法志」「礼楽志」は大きな書き換えを要求されることとなった。そして、現在散逸して伝わらない金代の『泰和律』やクビライ初期に制定された『至元大典』の一部分、宋代の官僚制、朝廷の文化等についての唯一無二の記述、図表の存在も紹介することができた。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)