自由境界を伴う非線形現象を記述する力学系の大域的安定性の研究
Project/Area Number |
17740099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Global analysis
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
白川 健 Kobe University, 工学研究科, 講師 (50349809)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 自由境界問題 / 地域経済動向 / 固体・液体相転移現象 / 時間依存する力学系 / 変分不等式 / 大域的安定性 / アトラクター / Penrose-Fife型モデル / 自由境界 / 安定性解析 / 定常パターン / 幾何学的制度論 / 偏微分方程式 / 拡散による平均化 / 形状記憶合金 / ギブス・トムソン則 / 定常解の幾何学的特徴 / 表面張力係数 |
Research Abstract |
本年度では、前年度までの研究内容をべースに、より発展的な展望を見据えた研究テーマに取り組んだ。得られた研究成果は、以下2つに要約される。 1.前年度における地域経済動向に対する考察の過程で、対象期間によって経済の状況(力学系)そのものが大きく変化している点が新たに指摘された。こうした時間と伴に変動する力学系は時間依存する制約条件付の変分不等式によって生成されるが、現時点ではその取り扱いを可能とする数学理論がまだ十分に整備されていない。経済現象に限らず、同種の変分不等式を研究することによって、貯水ダムや相転移現象に現れる自由境界問題をもカバーする汎用性の高い一般論を構築することが可能である。この様な背景から、ここではひとまず最も簡単と思われる設定での変分不等式を考え、その可能性の検証を行った。更に、力学系が「自励系へ漸近するケース」および「周期的に変動するケース」の2通りの状況を考え、それぞれにおける力学系の大域的安定性に関し、アトラクターを用いた特徴づけを行った。 2.固体・液体相転移現象におけるより進んだ現象再現を目標に、Penrose-Fifeが提唱した熱力学的な解釈を用いた熱方程式と、Gibbs-Thomson則に基づいた状態変化に関する特異拡散方程式とを連立させた数学モデル(Penrose-Fife型モデル)を扱った。同時にGibbs-Thomson則に内在する特異性をp-Laplacianによって平滑化した近似問題を考え、近似問題と元々のPenrose-Fife型モデルの双方に対し、解の存在および空間1次元での解の一意性を証明した。今後は空間多次元での解の一意性の検証はもちろんであるが、その先の研究課題である自由境界の形状変化の解析に向け、活動を継続したい。
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Report
(3 results)
Research Products
(19 results)