ケルビン・ヘルムホルツ不安定を介した太陽風エネルギーの磁気圏・電離圏への輸送過程
Project/Area Number |
17740324
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Space and upper atmospheric physics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 洋介 名古屋大学, 環境学研究科, COE研究員 (20397475)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ケルビン・ヘルムホルツ不安定 / プラズマ輸送・混合 / 地球磁気圏 / 乱流 / 非線形 / 二次的不安定 |
Research Abstract |
本研究では、低緯度磁気圏境界面のモデル化を目的として3次元MHDコードの開発を行い、ケルビン・ヘルムホルツ(KH)不安定の3次元非線形発展について研究を行った。前年度までに我々はCIP法をベースとしたMHD-CIPコードを新たに開発しており、本コードをもとに数値計算を行った。その結果、KH渦の3次元構造は不安定であり、背景磁場方向への新たなモードを励起することが明らかになった。本研究ではこれを(3次元性による)2次的不安定と呼ぶ。それを理論的に理解するため、渦を1次元軸対称モデル化し、その線形応答を調べることによって渦構造の安定性について解析を行った。その結果、その最大成長率は渦回転周期の1.5倍と速く、プラズマβに弱く依存することが明らかになった。また、最大成長率を持つモードの波長はβに強く依存し、低βでは長波長モードが卓越することがわかった。本解析で得られた結果はシミュレーション結果を良く説明することがわかった。以上の解析結果を用いて、低緯度磁気圏境界への適用を試みた。その結果、得られた成長時間スケールは1分程度、また、最大成長率モードの波長は10地球半径(=6380km)程度であることがわかり、充分磁気圏で起こりうることが明らかになった(Y.Matsumoto and K.Seki, J Geophys.Res, in press.)。 さらに、3次元非線形発展を長時間追い解析した結果、低β条件下においてもKH渦は崩壊し、最終的に乱流的発展することが明らかになった。これは、2次的不安定性が非線形発展し磁場の横波成分がモードカスケードした結果であることが明らかになった。本結果は、安定化に働くと思われていた強磁場中での乱流発展の可能性を示唆しており、特に、アルフヴェン速度程度で回転している系では、遠心力を通じた横波と縦波のカップリングがモードカスケードに導くことを示唆した。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)