Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
シトクロムb_<562>(b_<562>)やミオグロビン,ヘムオキシゲナーゼ(HO)は,補欠分子族としてヘムb(プロトポルフィリンIX鉄錯体)を結合するタンパク質である。b_<562>は電子伝達に関与し,一般のヘム酵素のような基質の酸化反応を触媒しない。本研究では,頑丈なb_<562>の構造を基盤とし,適切な位置に外来の金属イオンを配位させることで新規な活性中心を構築して,基質酸化を触媒する新しい金属酵素としての機能をb_<562>に対して付与することを目的とした。分子表面に金属イオンの結合部位を設けることで,b_<562>等のヘムタンパク質に対して幅広いタイプの金属酵素の機能を付与できるものと期待される。そこで,b_<562>分子表面に対するMn^<2+>やCu^<2+>等の金属イオンの結合を試みた。金属イオンの配位は,ESI-TOF-MSにより確認した。調製したMn^<2+>結合型b_<562>について,過酸化水素存在下で基質酸化活性を検討した。基質として用いたグアヤコールやインジゴカーミン,ABTSなどは,野生型b_<562>によりゆっくりと酸化されたが,Mn^<2+>結合型b_<562>では活性の低下(1/2〜1/5)が見られた。これは,ヘム活性種によって基質よりも先にMn^<2+>が酸化されてしまったためと考えられる。一方,酸素貯蔵へムタンパク質であるミオグロビンについて,ヘムの骨格や側鎖位置を改変することにより,リガンド分子に対する親和性を変化させたり,基質酸化活性を向上させたりできることを示した。また,HOはヘムを基質として結合してその分解を触媒する酵素である。この反応に必要な電子の伝達経路について,プロピオン酸末端をメチルエステル化したヘムを用いて検討した。HOが触媒する多段階反応の途中でベルドヘムジメチルエステルの蓄積が見られたことから,HO-ベルドヘム複合体への電子伝達にヘムのプロピオン酸側鎖が関与していることが示唆された。
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