Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
工作機械の制御法として,工作物の輪郭形状に関する誤差(輪郭誤差)を直接フィードバック信号に用いる輪郭制御法がこれまで提案されてきた。しかし既存の方法では,送り駆動系各軸の追従誤差および輪郭誤差の双方を考慮して制御系設計を行なう必要があり,制御器ゲインの調整が難しいなどの問題があった。また輪郭軌道が複雑な場合には,輪郭誤差のリアルタイム計算は困難である。本研究では,送り駆動系の目標位置において,送り駆動系の動特性を輪郭軌道の接線方向と法線方向に関する誤差動特性に完全に座標変換し,接線方向と法線方向の誤差を独立に抑制できる方法を前年度提案した。この方法では接線方向誤差を抑制するための制御器ゲイン(接線方向ゲイン)を小さく設定できることから,制御入力変動を小さくしつつ同程度以上の性能を確保でき,また制御系の安定性も向上する。しかし,接線方向ゲインを小さく設定した場合に,目標位置における法線方向誤差と実際の輪郭誤差の乖離が大きくなり,実際にはこのゲインを小さくできない場合が生じた。本年度は,この問題を解決するために,目標位置のリアルタイム修正を施す方法を提案した。さらに高精度制御のために非線形摩擦の影響を考慮する機能を付加した。摩擦特性は未知であるため,適当な摩擦モデルを仮定し,このパラメータをリアルタイム推定する方法が提案されているが,Stribeck効果を表すためのパラメータは非線形項に現れるため,この推定は一般に困難である。本研究ではこのパラメータに適当な値を仮定し,このことによる誤差をロバスト制御により補償する方法を考案した。以上の制御方法をX-Yテーブルに応用し複数の輪郭軌道に対して実験的に有効性を確認した。本方法では制御入力変動を小さく抑えつつ同程度以上の性能を得ることができることから,省エネルギー化をもたらし,量産加工に適した方法であると考える。
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