Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
平成18年度では,過年度に行った現地計測システム(雨量計,テンシオメータ,温度計)に蒸発量を計測する計測機器(風向・風速計,湿度計,日射計など)の設置を行い,データの蓄積を行った。また,設置付近の地盤変位データを光ファイバーセンサにより得た。現地計測から得られたデータを元に,安定性評価指標についてデータ分析を行い,降雨量と過去の崩壊時の降雨データの比較,降雨量と間隙水圧の関連性,降雨量-間隙水圧-地盤変位の関連性についてまとめた。しかしながら,平成18年度は,大雨が少なかったこともあり,明確な関連性は得られなかった。 また,室内土槽試験,保水性試験,透水試験および改良型一面せん断試験を行い,数値シミュレーションの入力値や妥当性の検討に必要な水分特性曲線と透水係数を得ることができた。せん断試験では,供試体の飽和度を変化させて試験を行い,飽和度の変化に伴う見掛けの粘着成分と内部摩擦角の変化について検討を行った。また,保水性試験では,供試体の体積変化を考慮した試験を行った。 得られた土質データや室内土槽試験データを用いて,過年度作成した数値シミュレーションプログラムの妥当性の検討を行った。不飽和浸透解析については,比較的良好な結果が得られた。また,安全率に関しては,降雨とともに安全率が低下する現象を評価することができたが,安全率の値が大きく,土槽試験での崩壊時刻との一致は見られなかった。これは,安定解析手法と崩壊挙動(進行性破壊)との不一致,せん断試験の応力状態の影響が考えられる。 以上,本研究では,現地計測データに基づいた評価手法と数値解析による評価手法の2段階評価により,降雨時および降雨後の斜面の安定性の定量的評価を行うための手法について提案した。今回提案した手法は,今後,データの蓄積をし,改良を加えていく必要があるが,降雨による土砂災害の防災・減災に役立つものであると考えられる。
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