レーザによる希土類添加ガラスの分相誘起と三次元光メモリ素子
Project/Area Number |
17760542
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
邱 建備 北陸先端科技大, 助手 (40345666)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 希土類 / フェムト秒レーザー / 分相 / 三次元メモリー / ハロゲンガラス |
Research Abstract |
今年度はフェムト秒レーザーによるハロゲン化物ガラス中への分相制御技術の確立を目指し、研究を進めてきた。フェムト秒レーザーを用いて、ガラス中の所望の場所に新しい構造を形成する技術として発展しつつあり、三次元メモリデバイスや、光導波路などを可能にする有力手段として期待されている。フェムト秒レーザーを用いた三次元光回路素子や三次元メモリデバイスなどに関して世界各国で研究が進められている。しかし残念ながら、これまで単なる学術的な可能性などが提案されているが、これまで研究対象となったガラス中の希土類イオンの価数変化の閾値が高く、その実用的はなく、実現化されていない。今回、800nm 250KHzのフェムト秒レーザーを用い、新しい試みとして、塩素を添加したAlF_3系フッ化物ガラス内部にフェムト秒レーザー集光照射し、ナノ領域に希土類イオンが塩素リッチ分相粒を選択的に析出させることにより、集光照射部分のみ発光イオンの価数を局所的に変化させ、スポット読み出しのS/Nを向上することによって高密度三次元光メモリデバイスの実現化を目指す。まず、化学的安定な酸化物系のホウ酸塩ガラス、酸素欠陥形成しやすいテルライトガラスなどを用いて実験を行った。ホウ酸塩ガラスではサマリウムの価数変化が起こるが、閾値の問題を解決できなかった。テルライトガラスではサマリウム二価の発光が観測されなかった。AlF_3系ガラスを用いて、組成最適化することによってサマリウムの価数変化の閾値を調べたが、大きな変化が見られなかった。そこで、このフッ化物系ガラス中に塩化物を添加し新規なガラスを作製した。蛍光解析した結果、サマリウムの価数閾値は塩素量に関係し、約8mol%から急激的に低下することが分かった。さらに、高分解能電子顕微鏡観察することにより、フェムト秒照射した部分に分相が起こり、サマリウムが選択的に塩素リッチ相に析出することが分かった。これは、価数変化の閾値を低下させる原因と考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)