Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
カイコ微粒子病病原Nosenma bombycis NIS OO1株胞子を,広範囲(25℃〜37℃)の温度条件下で培養可能な鱗翅目ヤガ科昆虫由来Spacibptera frugipeda NIAS-Sf-D1細胞系およびヒト子宮頸部癌由来HeLa S-3細胞系へ接種し,27℃または37℃で培養した。胞子接種7日後の感染培養からタンパク質を抽出し,各組み合わせと各培養温度下でのタンパク質発現の変化を,1次元及び2次元電気泳動により解析した。Sf-D1細胞系は微胞子虫非感染下でも培養温度によって異なるタンパク質発現パターンを示し,37℃では20〜30KDa程度のタンパク質が減少する一方で,約63KDaタンパク質の発現の増強が認められた。微胞子虫感染特異的に発現するタンパク質について,27℃培養区では,HeLa S-3細胞系では微胞子虫が感染増殖するにもかかわらずタンパク質動態の変化は全く認められなかったが,Sf-D1細胞系においては約27 Kdaのタンパク質が新たに誘導された。また37℃培養区では,Heda S-3細胞系においてのみ約40 Ma及び70 Kdaのタンパク質の発現が認められ,本微胞子虫の感染は成立しないものの,胞子発芽からスポロプラズムの宿主細胞侵入が,これらストレスタンパク質誘導の一因となっている可能性が示唆された。 また,本微胞子虫胞子表面抗原に特異的なIgG抗体を供試し,免疫染色により胞子表面抗原の動態を光学顕微鏡および電子顕微鏡を用いて解析した。胞子表面抗原は生活環を通して普遍的に存在するものではなく,その発現はenvironmental sporeが形成される時期と重なっていた。一方, primary sporeには抗原抗体反応は認められず,これら二型胞子がその役割だけでなく抗原的にも全く異なることが明らかとなった。
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