膜マイクロドメインでの脂質・蛋白質間相互作用によるG蛋白質シグナルの生理的制御
Project/Area Number |
17790170
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
|
Research Institution | National Hospital Organization Osaka-Minami Medical Center |
Principal Investigator |
石井 優 大阪南医療センター (10324758)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | G蛋白質シグナル / 脂質マイクロドメイン / 脂質ラフト / FRET / カルモデュリン / イノシトールリン脂質 |
Research Abstract |
本申請研究では、膜蛋白質機能(特にG蛋白質シグナル伝達機構)の生理的調節に、脂質マイクロドメインがどのような役割を果たしているかを、統合的かつ実体的に解析することを目的としている。特に平成17年度は、下記の点について解明を行った。 1.G蛋白質サイクルの生理的制御因子であるRegulators of G protein signaling(RGS)蛋白質が、脂質マイクロドメインに存在するPhosphatidylinositol-3,4,5-trisphosphate(PIP_3)とカルシウム/カルモデュリン(CaM)によって相互的に制御されており、この制御がRGS蛋白質の生理的機能発現に必須であることを示した。詳細な解析によりPIP_3とCaMは化学量論的解析により競合的であることを明らかとし、さらに構造生物学的アプローチにより、この制御機構は、RGS蛋白質上の正電荷クラスターをもつα5ヘリックス上で行われていることを解明した(Ishii et al.,Biochem.J.,2005)。 2.上記1.のRGS蛋白質の制御機構に実際に脂質マイクロドメイン(脂質ラフト)が関与していることをFluorescent Resonance Energy Transfer(FRET)によるイメージング法を用いて証明した。Yellow Fluorescent ProteinでラベルしたRGS蛋白質とCyan Fluorescent ProteinでラベルしたCaM間では、カルシウム依存性のFRETシグナルの増強が見られるが、脂質マイクロドメインを破壊する操作を加えたり、RGS蛋白質に脂質マイクロドメインへの局在に必須のアミノ酸に変異を加えたものでは、FRETシグナルの増強が見られなかった。これはRGS蛋白質の生理的制御機構に脂質マイクロドメインへの局在が重要であると示す結果である(Ishii et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,2005)。 3.さらに、RGS蛋白質や、それによって制御されるG蛋白質サブユニット、効果器である神経型カルシウムチャネルなどが、G蛋白質の活性化に伴って脂質マイクロドメイン間を移動することを証明した(Ishii et al.,submitted)。神経型カルシウムチャネルはG蛋白質シグナル(G蛋白質αoサブユニット)によって抑制を受けることが知られていたが、本研究でG蛋白質αoサブユニットがG蛋白質受容体刺激により、脂質ラフトから非ラフト部分へと、脂質マイクロドメイン間を移動することが明らかになった。一方効果器であるカルシウムチャネルは常に非ラフト部分に存在していた。これは、G蛋白質αoサブユニットが刺激により、効果器が存在するマイクロドメインに移動するという新しい制御機構が存在することを意味する結果である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)